三成 剛生 (みなり たけお)
高分子・バイオ材料研究センター 高分子材料分野 プリンテッドエレクトロニクスグループ グループリーダー
(株) プリウェイズ 代表取締役社長
金原 正幸 (かねはら まさゆき)
(株) C-INK 代表取締役社長
(株) プリウェイズ 取締役副社長
【業績名】
半導体製造を効率化するプリンテッドエレクトロニクスの開発
従来の半導体・電子部品製造プロセスでは、金属膜から不要な部分を除去して電子回路を形成するサブトラクティブ方式が多く用いられており、高コストで環境負荷が大きいことが問題でした。
本開発では、金属をインク化し、簡便な印刷技術を用いることで配線を形成するプリンテッドエレクトロニクスを実現しました。低温焼成で良好な導電性が得られる金属ナノ粒子インクと、微細な配線を安定的に印刷する技術を実現し、配線や薄膜トランジスタ素子といった複雑なデバイスを印刷のみで形成し、実用レベルで動作させることに初めて成功しました。
本開発により、印刷技術によって必要な部分にのみ材料を配置することで、効率的な回路形成が可能なアディティブ方式による新たな製造様式を実現しました。また、開発した銀ナノ粒子インクは、インクジェットで安定的に吐出して基板との良好な密着性が得られる特徴を有し、受賞者らが手掛ける販売・導入支援によって、さまざまな用途に利用されています。
本成果は、プリンテッドエレクトロニクスによって高性能の電子回路を安定的に製造できることを証明し、半導体製造プロセスの大幅な効率化、省資源化、環境負荷低減に寄与しています。