黒田 秀治 (くろだ しゅうじ)
技術開発・共用部門 マクロ材料加工ユニット ユニットリーダー
本橋 功会 (もとはし のりえ)
技術開発・共用部門 マクロ材料加工ユニット 主任エンジニア
【業績名】
大型精密鍛造試験における基盤技術確立と設備共用による貢献
高い品質が求められる航空機エンジンの部材には,高強度合金や高耐熱合金の鍛造品が使われており、欧米中では先進的な鍛造材の研究開発が行われています。2014年開始の戦略的イノベーション創造プログラムにおいて、我が国の航空機エンジン部材の競争力を強化するため革新的な機能をもつ大型精密鍛造試験機が設計・開発されました。
本業績では、物質・材料研究機構に導入された世界に類を見ない大型精密鍛造試験機において、鍛造中の被鍛造材および金型の温度制御を始め様々な技術開発を行い、大型試験機による高度な恒温鍛造を実現し、超耐熱合金の研究支援を行いました。さらに大型精密鍛造試験機の共用化を行い、確立した恒温鍛造技術で国内の大学や企業等の材料開発に貢献しました。
本業績の支援を受け、同一試験材から組織や力学特性を評価するための試験片採取が可能となり、塑性加工・材料データベースおよびモデリング技術が高度化されました。さらにひずみ制御と回転ねじりを組み合わせた革新的な鍛造プロセスの開発や難加工材のディスク成型にも成功し、我が国の航空機エンジン部材の材料開発が進展しました。
本業績の支援を受けて行われた塑性加工・材料データベースおよびモデリング技術の構築に関する研究成果は、マテリアルデータを活用したモノづくりの進展に貢献し、製品開発の期間短縮やコスト低減が見込まれます。