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ナノ計測技術の高度化に関する研究

Advanced Characterization of Mechanics for Maicro-Nano Materials

鈴木 裕 SUZUKI.Hiroshi@nims.go.jp

劣化・損傷が進行中の材料内のナノ・ミクロ組織の強度物性をナノテクノロジーを活用して評価する技術を確立し破壊機構の解明をめざしています。この目的ためにナノ・ミクロ組織部材に対応できる微小材料の機械的強度について高精度かつ正確な材料試験システムを開発する必要があります。

ナノワイヤーの強度特性は、従来、絨毯爆撃的に曲げ強度を測定したり、また、高分解能電子顕微鏡観察室内でin-situで作製できたナノワイヤーについて引張り強度を測定するなど微小サイズに起因する測定材料試片のセッティングが難しいために、限られた特殊なデータしか得られていません。そこで、レーザー光固定化およびマイクロプローブの併用によって微小セッティング法を考案し、さらに、ナノ引張り試験機(図1)を開発することによってマイクロスケールそのままの形状でマイクロワイヤー1本の応力と変位を測定することに成功しました(図2)。これまで約1μm径まで細いSi系のマイクロワイヤーの引張強度を測定することに成功しており、世界的にも類のないナノメートルレベルでの材料強度測定によるMEMS材料はじめとする材料信頼性確立に向けて研究を推し進めています。

図137_Suzuki1.psd 図237_Suzuki2.ai

図1 SEM中設置用小型ナノ材料 引張り試験機の外観

図2 SiCマイクロワイヤーの 引張り強度測定例