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分析電顕による構造材料の組織評価

Microstructure Evaluation of Structural Materials Using Analytical Electron Microscopy

原 徹 HARA.Toru@nims.go.jp

構造材料では、要求される特性を実現するために、複雑な組織や組成を持つことが少なくありません。添加した微量元素が、その複雑な組織の中のどこに、どのような形態で分布しているかを知ることは、機能や特性の発現メカニズムを解明し、さらなる材料設計の指針を得るために重要な知見を与えます。

局所領域の組成分析には、通常電子顕微鏡に付設したEDSまたはEELSと呼ばれる分析装置を用います。私達は、EDS(エネルギー分散型X線分光)の機能と性能を追求した装置・手法開発とその応用に関する研究を行っています。図1は、元素分布を知るためのSTEM-EDS装置で、より迅速に元素分布を描画するための装置構成となっています。図2は、独自に開発中の世界最高の元素ピーク分離能力を持つマイクロカロリメータEDSを搭載した世界で唯一の透過型電子顕微鏡です。これらの装置により、高精度な組織解析の実現を目指しています。

(図1)09_Hara1.psd (図2)09_Hara2.psd

図1 JEOL JEM2010F +EDS(プレミアム仕様)

図2 JEOL JEM2010 +マイクロカロリメータEDS