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高温形状記憶合金の開発

Development of High Temperature Shape Memory Alloys

御手洗 容子 MITARAI.Yoko@nims.go.jp

形状記憶合金として主にTiNiが使われており、アクチュエーター、ロボット、継手などの産業分野からインプラントなどの医療分野、電子レンジやコーヒーメ−カー、眼鏡フレームなどの生活用品にいたるまで幅広い分野で使われています。一方、TiNiの使用温度は高いところで100℃程度のため、より高温で使える形状記憶合金が開発されれば、自動車エンジンなどの熱効率をあげ、二酸化炭素削減にも貢献できるといわれています。我々は、TiPtが900℃で変形後、変態点以上に加熱することで形状回復することを見いだし、高温形状記憶合金としての特性評価を行っています。さらに、変態点以下で応力を除荷するだけでも歪みが回復する面白い現象も見つけました。合金組成、組織、熱処理条件などによる回復挙動を詳細に調べることにより、TiNiに匹敵する形状記憶合金の開発を行いたいと思います。

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TiPtにおいて、負荷応力を除荷することにより歪みが回復する擬弾性効果を見いだした。また、Ti(Pt, Ir)を1018℃で変形後、1250℃に加熱することにより、4%の歪み回復(形状回復)を観察した。