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鉄鋼材料の破壊特性評価

Evaluation of Fracture Behavior of Steels

邱 海 QIU.Hai@nims.go.jp

鋼構造物の安全性を確保するために、優れた破壊特性を持つ鋼材が求められています。鉄鋼材料の破壊に対する抵抗はシャルピー靭性や破壊靭性で定量的に評価します。靭性試験を行い、鋼材の靭性を計測し、破壊メカニズムを解明することによって、靭性を支配する成分的・組織的因子を明らかにし、高強度高靭性鋼を開発する指針を提供します。

右図は溶接熱影響部におけるボンド部の靭性評価の例です。溶接ボンド部は溶接継手における最も靭性の弱い域で、その部分の靭性を向上することが溶接構造物の安全性の確保には重要です。溶接ボンド部のシャルピー靭性(吸収エネルギー)と炭素量との関係より、強い成分依存性を示しています。0.17%Cの前後で、溶接ボンド部が靭性特異性を示し、その成分(C, Mn, Al, Si)範囲で高強度高靭性溶接用鋼を開発できる可能性を示しました。

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