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Phase-field法によるミクロ組織予測

Prediction of Microstructure Using Phase-Field Model

大出 真知子 ODE.Machiko@nims.go.jp

日本のC02排出量の1/2はエネルギー変換(発電)や輸送部門が占めており、環境・エネルギー効率の観点から、発電タービンやジェットエンジンの動作温度の向上が求められています。

その中で、最も耐熱性能を求められる部品には、超高融点材料をコーティングしたニッケル基超合金が用いられています。このコーティング材料の開発には、コーティング「する」材料の耐熱性能の他に、「される」材料との相性も重要です。これを、実験のみで開発を行うには、多くの試行錯誤が必要でした。そこで、Phase-field法とよばれる数値計算法で、コーティング/基材の組織変化を予測する研究を行っています。

右図はPhase-field法により、コーティング元素Irが基材Ni-Al合金に拡散侵入する様子を再現した図です。Irの拡散侵入によるミクロ組織の変化や、析出相を避けて拡散する様子が再現されています。

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Ni-Al系γ-γ’2相組織のAl、Irの濃度分布図。

γ母相中にAl濃度が高いγ’が析出する複雑なミクロ組織に、図左側よりIrが拡散侵入。Ir固溶度の低いγ’相をIrが避けるように拡散している様子が再現されている。