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大きな損傷許容性を持たせる繊維強化セラミックスハイブリッド材料

Fiber-Reinforced Ceramic Matrix Hybrid Composites with High Damage Tolerance

郭 樹啓 GUO.Shuqi@nims.go.jp

近年、「ハイブリッドセラミックス」がセラミックス材料の力学特性の最大の弱点である「脆さ」を克服し、「割れないセラミックス」を実現できる手法であることが明らかになっている。構造用セラミックスには、強度と剛性に優れたモノリシックセラミックス、破壊靭性、破壊抵抗に優れた繊維強化セラミックスがある。これらの異なる性質の材料開発並びに部材適用化技術は別々のものとして行われていたが、ハイブリッドセラミックスでは一つの部材中の場所ごとに異なる性質を持つセラミックスを必要な材料特性を必要に応じて配置することができる。

右図は耐摩耗性、耐熱衝撃特性、耐損傷許容性と軽量化の優れた特性を持つC/C複合材料と耐酸化性と高強度を持つSiCセラミックスから構成されたハイブリッド材料の破壊挙動を示した例である。繊維材料とセラミックスとのハイブリッド化によってセラミックス単体のない大きな損傷許容性を持たせるセラミックス材料ができた。このようなハイブリッド技術を確立することで、高性能高信頼性ハイブリッドセラミックスは実現できる。

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炭素短繊維強化SiCハイブリッド材料の室温と高温曲げ試験で得た荷重-変位曲線は大きな損傷許容性を示した。