発電用ガスタービンや航空機ジェットエンジンの高効率化・高出力化には、現用の耐熱材料を凌ぐ超耐熱材料の開発が不可欠です。また、ガラスやシンチレータ結晶などの製造分野でも、被熱部材の長寿命化や、より高温でのプロセスを可能とする新規耐熱材料が求められています。
現在、Ni基超合金の耐熱温度は1100℃に達していますが、耐熱性の飛躍的向上は困難と考えられています。そこで、Ir、Pt等の白金族金属、NbやMoのシリサイド、炭素材料、金属間化合物などに着目し、それらを基材あるいはコーティング材とした新規耐熱材料の開発を目指しています。電子顕微鏡を用いた組織解析、相変態機構の解明、相平衡や原子の拡散性の検討、凝固制御を通じて、使用環境に応じた合金設計と組織最適化に取り組んでいます。
白金族金属基合金の透過電子顕微鏡組織： (a) ZrO2分散強化型Pt合金を1400℃でクリープ変形させた際に見られるZrO2粒子と転位のインタラクション (明視野像)、および (b) C15型 Ir2Yラーベス母相とIr3Y析出物との界面構造 (高分解能像)． |
