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金属間化合物を箔にする!

Heat-resistant Foils of Intermetallic Compounds

出村 雅彦 DEMURA.Masahiko@nims.go.jp
熱料電池材料センター 金属間化合物触媒グループ

金属間化合物は、元素の組み合わせ次第で思わぬ性質が現れる興味深い材料です。例えば、私たちが研究しているNi3Alは、高温ほど強度が上がるという構成元素からは予想もつかない性質を持ちます。これは、耐熱材料として大変、魅力的な特徴といえます。

私たちは、金属間化合物を箔にできれば、優れた耐熱金属箔になると考えました。耐熱金属箔は、高温化学反応器の容器材料や排ガス浄化用のコンバータ材料として使用されます。これまでは、金属間化合物は脆く、箔にするのは現実的ではないと、考えられてきました。Ni3Alの場合でいえば、結晶粒界の脆性、そして、圧延能の結晶方位異方性が箔の圧延にとって障害となります。

私たちのグループでは、一方向凝固という手法を用いて、結晶方位がそろったインゴットを作製し、冷間圧延で箔を作製することに成功しました。これは、脆い粒界の排除、容易圧延方位の選択という二つによって成し遂げられたものです。

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冷間圧延で作製した金属間化合物Ni3Al箔(厚さ 23μm)