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耐酸化コーティング材の設計と開発

Design and Development of Oxidation Resistant Coatings

村上 秀之 MURAKAMI.Hideyuki@nims.go.jp

ジェットエンジンやガスタービン等、内燃機関の高効率化は、二酸化炭素排出削減にも直結する重要な課題です。これを解決するための、新しいコーティングシステムを開発しています。特にイリジウムを含む合金材に注目しています。

耐酸化コーティングですから、高温で酸化に強い材料を被覆しなくてはなりません。しかし、コーティングされた材料を高温で用いると、基材中の元素とコーティング材中のそれとが相互拡散を起こし、組織変化が起こります。これが基材の特性に悪影響を及ぼす場合が多いため、基材への影響が少ない材料やプロセスを開発しなくてはなりません。

右の写真は現在研究を進めているPt-Ir合金をめっき法でNi基超合金に被覆した後、1100℃1時間で真空熱処理した後の(a)旧手法 (b)新手法における試料断面です。めっき手法の工夫により、熱処理によって生成するボイドの抑制に成功しました。 このような材料が高温にさらされた場合の組織変化を系統的に調べることによって、耐酸化コーティング材の寿命予測が可能となります。

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図 PtIr膜を被覆した後、熱処理を施したNi基単結晶超合金の断面。ボイドの生成が抑えられていることが明らか。