NIMS Award Symposium 2023 開催報告
NIMSは、2023年11月6日 (月) 、7日 (火) の2日間、学術成果発表イベント「NIMS Award Symposium 2023」を開催しました。
2023.12.28
NIMSは2007年より、物質・材料研究において顕著な成果をあげた研究者またはグループに、「NIMS Award」を授与して参りました。NIMS Award Symposiumは、NIMS Award受賞者の成果を称えるとともに、授賞式、受賞者による記念講演、関連する分野の著名な研究者による招待講演、NIMS研究者による講演を行う、NIMSが毎年開催している国際シンポジウムです。
今年度のNIMS Awardは、「構造材料」を対象分野として、ドイツのマックス・プランク鉄鋼研究所ディレクターのDierk Raabe (ディエルク・ラーベ) 教授を受賞者として金メダルを授与し、「構造材料 x カーボンニュートラル」をテーマとしたシンポジウムを、つくば国際会議場にて開催しました。

受賞者、招待講演者を交えた参加者集合写真
Day 1 (11月6日 つくば国際会議場)
初日は、400名を超える参加者が熱心に講演に耳をかたむけ、NIMS Award受賞者や招待講演者の研究成果発表に大いに触発されるとともに、レセプションやポスターセッションでは新たな研究交流が生まれるなど、実り多いイベントとなりました。

宝野 和博 NIMS理事長による開会挨拶

NIMS Award 金メダルが授与されたディエルク・ラーベ教授と宝野理事長

ディエルク・ラーベ教授によるNIMS Award受賞記念講演

Sudarsanam Suresh Babu教授による招待講演

Simon P. Ringer教授による招待講演

Sung-Joon Kim教授による招待講演

古原 忠教授による招待講演
Day 2 (11月7日 つくば国際会議場)
2日目は、著名な国内招待講演者7名による発表のほか、NIMS研究者による3件の講演が行われ、口頭発表終了後は、構造材料研究に係る分野別に、プロセス関連17件、キャラクタリゼーション関連28件、評価関連21件、およびモデリング関連19件のポスターセッションが行われました。
ポスターセッション中のコアタイムでは、研究成果に係るフランクな意見交換が行われ、国際連携の新たなきっかけづくりに資する、実り多い交流の場を提供することができました。

ポスターセッション会場

ポスター発表の様子
NIMS Award 記念メダルについて
Gold medal of NIMS Award 2023
- 素 材 : 都市鉱山金メッキ (下地金属 : 銀) (英語 : Urban Mined Ethical Gold Plated silver)
- 化学組成 : 金 - 99.99質量%
都市鉱山は、使用済みの家電、携帯電話、パソコンその他の製品から金属を回収・再利用する資源と環境を配慮した取り組みです。
この都市鉱山の概念は、2008年にNIMSがその蓄積量とリサイクルの重要性を発表したことが契機になり、小型家電のリサイクル制度や、東京オリンピック・バラリンビックの金銀銅メダルにまで広がりました。
NIMS AWARDのメダルも、銀の下地金属に、この都市鉱山から採取された資源と環境に配慮した金をメッキして作られたものです。