【研究主題】
膜型表面応力センサ (MSS)を用いた嗅覚センサの総合的研究・開発と社会実装
人の五感 (視覚、聴覚、味覚など) は様々な形で工業化されてきた。しかし、嗅覚センサーに関しては40年以上に及ぶ研究開発が行われてきたが未だ社会実装に至っていない。
受賞者らは、嗅覚センサーとして知られる膜型表面応力センサー (MSS) で生じる物理現象を解き明かすことで粘弾性的特性を理論式として表現することに成功し、様々なニオイ分子に対応可能な化学的多様性を持たせるナノ構造等の嗅覚センサーの実現に成功した。一方、クラウド上に設けた蓄積されたデータを基にオンラインで高精度にニオイ識別ができる新たなシグナル解析法の開発にも成功し社会実装に漕ぎ着けた。本研究主題は、嗅覚センサーの統合的な研究開発を通じて誰でもがニオイのデジタル化を体験できる新な市場環境の提供に成功した。NIMS 発ベンチャー「株式会社Qception」を設立し社会実装を開始しており、予想される事業規模も大きく今後の事業展開が期待できる。