茨城県科学技術振興財団「2022年度 つくば奨励賞」を高橋有紀子グループリーダー、宝野和博理事長、Sepehri Amin Hossein主幹研究員が受賞決定
2022.12.02
茨城県科学技術振興財団 (理事長 : 江崎玲於奈)「2022年度 つくば奨励賞」について、磁性・スピントロニクス材料研究拠点 磁気記録材料グループ 高橋有紀子グループリーダー、宝野和博理事長、磁性・スピントロニクス材料研究拠点 磁性材料解析グループSepehri Amin Hosseinの3名が選出されました。
「つくば賞・つくば奨励賞」とは「茨城県内において科学技術に関する研究に携わり、顕著な研究成果を収めた研究者を顕彰」するものです。高橋有紀子グループリーダー、宝野和博理事長の授賞の対象となった研究主題は「FePt-C 系熱アシスト磁気記録媒体の開発」、Sepehri Amin Hosseinグループリーダーの授賞の対象となった研究主題は「希少元素を用いない新規高性能永久磁石材料の研究」です。
2022年度 つくば奨励賞
実用化研究部門
【研究主題】
FePt-C 系熱アシスト磁気記録媒体の開発
受賞者らは、データセンタのハードディスクドライブ(HDD)の大容量化のために提案されていた熱アシスト磁気記録方式の記録媒体としてFePt-C系ナノグラニュラー薄膜を開発した。このプロトタイプ媒体は、その後HDDメーカーにより改良・実用化され、現在ではデータセンタのHDDに使われ始めている。世界的にデータセンタは増設され続けており、本研究は将来の超スマート社会に大きく貢献する成果と期待される。
若手研究者部門
近年のレアアース危機を契機として、資源・地政学的リスクの高いジスプロシウム (Dy) を使わなくとも、あるいはDy の使用を低減しても高保磁力を発現できるDy-ネオジム (Nd) 磁石の開発が求められている。ホセイン氏は、高保磁力Nd 磁石材料からDy を削減するという社会的に極めて重要な問題の解決に取り組み、結晶粒界改質によりDy フリーで高保磁力を達成できるDy フリーNd 磁石開発の指導原理を確立した。これらの成果は、脱レアアース系磁石の実現に向けて一つの道筋を示すものとして世界的に評価されており、極めて波及効果が大きく独創性の高いものである。