小川 祐平 研究員が第47回 本多記念研究奨励賞を受賞
2026.02.26
小川 祐平 研究員が第47回 本多記念研究奨励賞を受賞しました。
「本多記念研究奨励賞」は、公益財団法人 本多記念会により、我が国の若い研究者で、理工学、特に金属及びその周辺材料に関する研究を行い、優れた研究成果または発明を行ったものに対して贈られるものであり、受賞者の今後の発展を奨励することを目的に授与される記念賞です。
「第47回 本多記念研究奨励賞」を受賞した小川 祐平 研究員の授賞の対象となった研究主題は、「耐水素用構造材料における疲労き裂進展制御と水素有効利用」です。
小川 祐平 (おがわ ゆうへい)
【受賞者名 (所属/職制) 】
小川 祐平 (構造材料研究センター 材料評価分野 鉄鋼材料グループ / 研究員)
【表彰名】
第47回 本多記念研究奨励賞 (公益財団法人 本多記念会)
【受賞タイトル】
耐水素用構造材料における疲労き裂進展制御と水素有効利用
【研究業績概要】
水素エネルギーの利用が広がる中、水素インフラ用の圧力容器、配管、継手など、高圧水素ガスに曝される構造部材では、繰返し荷重による金属疲労が安全上の懸念となります。小川氏は、疲労破壊の支配過程である“疲労き裂進展”に着目し、水素環境下でき裂が速く進むことで破壊が加速される理由と、その抑制の考え方を、力学試験と微細組織観察を組み合わせて解明してきました。
本研究では、実環境を模擬できる100 MPa級の高圧水素ガス中での試験と、水素を材料に予め含有させた試験を使い分け、水素の侵入・拡散・蓄積といった時間依存の影響を整理しました。さらに、き裂先端のように応力とひずみが集中する領域で、水素が転位や粒界などの格子欠陥と相互作用して破壊様式 (粒界破壊や劈開破壊など) を変化させる過程を、EBSD・ECCI・TEM等による破壊後観察を高度に組み合わせることで可視化しました。これにより、破壊モードの遷移条件とき裂進展速度の関係が明確となり、材料選択や信頼性設計に直結する評価基盤が整備されました。
加えて本研究の特色は、水素を単なる「脆化因子」として避けるのではなく、条件次第で現れる「強化効果」に着目し、実用的なFe-Cr-Niオーステナイト鋼で強度と延性を同時に高める設計指針を示した点です。水素の作用を理解して制御可能な“設計要素”として扱う道筋を提示し、水素インフラの安全性向上と合理的な強度設計に貢献する成果として高く評価され、受賞対象業績となりました。
本研究では、実環境を模擬できる100 MPa級の高圧水素ガス中での試験と、水素を材料に予め含有させた試験を使い分け、水素の侵入・拡散・蓄積といった時間依存の影響を整理しました。さらに、き裂先端のように応力とひずみが集中する領域で、水素が転位や粒界などの格子欠陥と相互作用して破壊様式 (粒界破壊や劈開破壊など) を変化させる過程を、EBSD・ECCI・TEM等による破壊後観察を高度に組み合わせることで可視化しました。これにより、破壊モードの遷移条件とき裂進展速度の関係が明確となり、材料選択や信頼性設計に直結する評価基盤が整備されました。
加えて本研究の特色は、水素を単なる「脆化因子」として避けるのではなく、条件次第で現れる「強化効果」に着目し、実用的なFe-Cr-Niオーステナイト鋼で強度と延性を同時に高める設計指針を示した点です。水素の作用を理解して制御可能な“設計要素”として扱う道筋を提示し、水素インフラの安全性向上と合理的な強度設計に貢献する成果として高く評価され、受賞対象業績となりました。