内藤 昌信 センター長がスガウェザリング財団賞 科学技術賞を受賞

公益財団法人 スガウェザリング技術振興財団より、「第44回 スガウェザリング財団賞 科学技術賞」が内藤 昌信 (高分子・バイオ材料研究センター センター長) に授与されました。

「スガウェザリング財団賞 科学技術賞」は、永年にわたり、ウェザリング技術による材料の機能、美観または色彩の経時変化等に関する研究に携わり、優れた業績を挙げ、広く学界あるいは産業界に多大な貢献をした個人または団体に対して、その功績を称えるため、公益財団法人 スガウェザリング技術振興財団より授与される賞です。

「第44回 スガウェザリング財団賞 科学技術賞」を受賞した内藤 昌信 センター長の授賞の対象となった研究主題は、「生物模倣設計と分子界面制御による撥水・防氷・防錆機能表面の創製とウェザリング耐性学理の構築」です。

内藤 昌信 (ないとう まさのぶ)

【受賞者名 (所属/職制)】
内藤  昌信 (高分子・バイオ材料研究センター センター長)
【表彰名】
第44回 スガウェザリング技術振興財団表彰科学技術賞 (公益財団法人 スガウェザリング技術振興財団)
【受賞タイトル】
生物模倣設計と分子界面制御による撥水・防氷・防錆機能表面の創製とウェザリング耐性学理の構築
【研究業績概要】
社会インフラ、輸送機器、エネルギー関連設備、建築外装などに用いられる構造材料は、紫外線、湿潤、塩害、凍結融解、風雨など複合的な自然環境に曝され、腐食、氷結、汚染、摩耗、ひび割れといった劣化を避けられない。これらの劣化現象(ウェザリング)は、製品寿命の短縮や安全性低下を招き、社会的・経済的損失を生む深刻な課題である。しかし、その進行機構は複雑で、表面構造・化学反応・環境因子が相互に作用する多階層現象としての理解が十分に進んでいない。

従来のクロメート系防錆処理やフッ素系撥水・防氷コーティングは、単一機能の改良に依存し、統一的な設計理論が欠如していた。さらに、環境負荷の高い物質への依存も大きく、持続可能社会の要請に応える技術とは言い難い。したがって、複合環境下における劣化の本質を科学的に解明し、分子構造と表面機能の相関を体系化することが喫緊の課題であった。

本研究ではその糸口となる着想を自然界に求め、蓮葉の撥水構造、花弁やヤモリの濡れ制御、ムラサキイガイ類の接着機構などに学び、分子界面科学と表面トポグラフィ制御を融合した新しい学理の確立を目指した。撥水・防氷・防錆・防汚を統合的に実現するウェザリング耐性材料の創出は、環境下における材料機能の普遍原理を探究する基礎科学的挑戦としても意義深いだけでなく、実用化材料の性能向上に向けた重要な材料設計指針を与えるものである。

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