令和7年度 全国発明表彰「未来創造発明賞」を三成剛生グループリーダーが受賞

三成 剛生 グループリーダーが「全国発明表彰 未来創造発明賞」を受賞しました

公益社団法人発明協会が主催する令和7年度「全国発明表彰」において「未来創造発明賞」が、NIMS 高分子・バイオ材料研究センター プリンテッドエレクトロニクスグループの 三成剛生 グループリーダーに贈られました。

全国発明表彰は、日本国内における科学技術の振興、産業経済の発展に大きく貢献している発明等に関し、功績のあった者を顕彰するもので、大正8年に科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に始まったものです。
「未来創造発明賞」は、科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ、中小・ベンチャー企業、大学及び公設試験研究機関等の研究機関に係る発明等が対象となり、特に優秀と認められる発明等に贈呈されます。

また、本受賞に伴い「未来創造発明貢献賞」が、推薦者である 宝野和博 理事長に贈られました。未来創造発明貢献賞は、未来創造発明賞もしくは未来創造発明奨励賞を受賞する発明等が法人におけるものである場合に、当該法人の代表者に贈呈される賞です。

表彰名

全国発明表彰 未来創造発明賞

受賞者

三成剛生 グループリーダーの顔写真

三成 剛生
高分子・バイオ材料研究センター
プリンテッドエレクトロニクスグループ
グループリーダー

李 万里
江南大学 インテリジェント製造学院
准教授
(元 国立研究開発法人物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 NIMSポスドク)

受賞タイトル

「耐酸化性を向上したプリンテッドエレクトロニクス向け銅インクの発明」

研究業績概要

本発明は、従来のプリンテッドエレクトロニクスに用いられていた高価な銀インクの代替となる、耐酸化性を向上した銅インクに関するものである。
銅は安価で導電性に優れるが、酸化されやすいという弱点があり、インク化した際の保存安定性や、印刷後の導電性維持が課題であった。
本発明では、大気下でも安定である銅錯体にニッケル錯体を添加することで、加熱還元後に銅配線をニッケルが自発的に被覆する銅・ニッケル錯体インクを開発した。導電性を担う銅は大きな粒子が、表面を覆うニッケルは緻密な膜が析出する機構を実現したことで、高い導電性と耐酸化性を両立した。
安価で高性能な銅インクが提供されることにより、電子基板の製造コストの大幅な削減が可能となり、IoTやウェアラブル機器などの普及を促進する。さらに、銅はリサイクル性や環境負荷の面でも優れており、持続可能な製造に貢献する。本技術によって、新たな学術分野の創出や国際連携の促進も期待され、経済的・社会的・国際的に大きな波及効果をもたらす成果である。

表彰名

全国発明表彰 未来創造発明貢献賞

受賞者

宝野 和博
NIMS 理事長

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