谷口尚氏・渡邊賢司氏が2024年度 朝日賞を受賞

谷口 尚 理事、渡邊 賢司 特命研究員が「2024年度 朝日賞」を受賞しました

朝日賞は株式会社 朝日新聞社により1929年に創設された賞であり、学術、芸術などの分野で傑出した業績をあげ、わが国の文化、社会の発展、向上に多大な貢献をされた個人または団体に贈られる賞です。受賞者には、正賞(ブロンズ像)及び副賞(500万円)が贈呈されます。

谷口 尚 理事、渡邊 賢司 特命研究員の受賞の対象となった研究主題は、「窒化ホウ素結晶の高品位合成と量子材料研究への貢献」です。

表彰名

朝日賞 (自然科学)

受賞者

(※50音順)

谷口 尚
理事、フェロー、ナノアーキテクトニクス材料研究センター・センター長

渡邊 賢司
電子・光機能材料研究センター・特命研究員

受賞タイトル

「窒化ホウ素結晶の高品位合成と量子材料研究への貢献」

研究業績概要

窒素原子とホウ素原子からなる化合物である六方晶窒化ホウ素(h-BN)は、断熱材や絶縁体等として長年実用に供されてきたが、高純度単結晶の合成例はなく、電子材料としての応用は全く未知数であった。
谷口、渡邊の両氏は、高圧合成技術を用いて、高純度単結晶の合成に世界に先駆けて成功し、非常に高効率な遠紫外発光特性を発見した。さらに、高純度h-BN単結晶は、グラフェンを支持する基板としても優れた特性を示すことが見出された。
この高純度h-BN基板を世界40ヶ国、約400の研究グループに試料提供を行うことで連携研究を進め、グラフェンをはじめとする2次元原子層材料における数多くの新たな物理現象の発見に繋がり、累計2,300報以上の共同研究論文が出版されることになった。
このような2次元原子層材料の黎明をもたらした高インパクトの学術研究成果は、谷口、渡邊の両氏の高純度h-BN基板なくしては実現しなかった。

関連リンク