メニューを開く メニューを閉じる
What's nims?

NIMSこんな研究所!

物質・材料研究機構( NIMS 二ムス )は国内で唯一、物質・材料科学の研究に特化した国立研究開発法人。
このページでは、NIMSの特徴や魅力をご紹介します。

生活を支え、変革し続けるNIMS

明かり、道路、橋、ビル、車…。私たちの暮らしに必要なものはすべて「物質」と「材料」でできています。
これまで、NIMSは物質・材料研究に特化した国立研究開発法人として、世界を変える物質・材料をあまた作り出してきました。
あなたの近くで、NIMSの研究成果が活躍しています。

世界の明かりを変えたサイアロン蛍光体

省エネの切り札、LED。かつて白色 LED 電球は、青色 LED のチップに黄色い蛍光体をかぶせて白い色を出していました。
ですが、それだけでは青白い光になってしまい、照明としてあまり普及しませんでした。自然な白を出すには、赤色成分が不足していたんです。NIMS はその赤色を出す蛍光体を開発しました。この「サイアロン蛍光体」のおかげで自然な白色 LED が生まれ、世界的に照明として普及したのです。NIMS 発「世界標準サイアロン蛍光体」が人々を照らす明かりを変えました。

Photo:Nacása & Partners Inc.

巨大地震から高層ビルを繰り返し守るFMS合金制振ダンパー

東日本大震災の際、遠く離れた大阪の高層ビルが長い時間大きく揺れたことでも話題となった長周期地震動。これを抑えるため、最新ビルの多くに金属製の制振ダンパーが導入されています。しかし、巨大地震を経験すると 性能が低下するため、大掛かりな工事を行い交換する必要があります。
NIMSは繰り返し変形に対する疲労強度が高い形状記憶合金を開発しました。外部応力を材料自身で緩和できることに加え、疲労強度が従来の材料と比べ10倍も高いため、交換などのメンテナンスが不要な建造物用制振ダンパー材料として実用化されています。NIMSは巨大地震から建築物を守ります。

FMS合金制振ダンパーの画像
Photo:株式会社 竹中工務店

高度情報化社会の根幹を支える超高密度記録媒体、HAMRメディア

世界中のデジタル情報を格納するデータセンター。主役はハードディスクドライブ(HDD)です。今のHDDを使い続けると10年後には世界の総消費電力の10%をデータセンターが消費するというとんでもない予測が。省エネのために、小さい面積に多くの情報を保存する高密度化が必要です。NIMSは新規材料のFePtを使った高密度記録媒体、HAMR(ヒート アシステッドマグネティック レコーディング)メディアの開発に世界に先駆けて成功しました。このHAMRメディアのHDDへの搭載は既に始まっており、高度情報化社会で活躍しています。

FePt薄膜の表面と断面の画像。背景のHDDドライブとメディアの画像はイメージ画像です。
※HDDドライブ、メディアの画像はイメージ画像です。HAMRメディアが搭載された画像ではありません

電気の送り方に革命を起こすビスマス系超伝導材料

1988年、NIMS(当時は金属材料技術研究所) で発見された「ビスマス系超伝導材料」が世界中の研究者に大きな衝撃を与えました。
超伝導とは、物質の温度を下げていくとある温度で突然、電気抵抗がゼロになる現象のこと。1986年にスイスの研究者が、それまで極低温でしか起こらなかった超伝導現象を35K(-238℃)で発現する材料を発見し、ノーベル物理学賞を受賞しました。その後、数種類の高温超伝導物質が発見されましたが、NIMSが発見した「ビスマス系超伝導材料」は、それまでとは違う元素の組み合わせで作られており、しかも100K(-173℃)以上の高い温度で超伝導状態になることで、研究者の想像を超えた範囲で高温超伝導物質は多く存在することを示したのです。
ビスマス系超伝導材料は現在でも電力が減らない送電ケーブルや超強力電磁石の材料として注目されていて、すでに実用化に向けての試験も始まっています。

Photo:Nacása & Partners Inc.

自由な発想で世界を変えるNIMS

データとの融合で物質・材料の研究開発を革新

NIMSは材料データを活用し、高効率・高速な研究開発を行うデータ駆動型材料研究に力をいれています。例えば、材料データプラットフォームDICE(ダイス)では、外部の方も利用できる質の高いデータとアプリケーションを提供しています。

サーバーの写真

NIMSの研究力を高めるカギは
研究者個人の自由発想研究

世界を変える研究成果を生み出すNIMS。その秘訣の一つに、研究者個人の自由発想研究の時間があります。NIMSではエフォート(研究者の年間の全仕事時間)のうち、50%を自由発想研究に使うことが認められているため、自分の興味がある研究を存分に行うことができます。自由発想研究で個々の研究力を高めることにより、NIMSのミッションでも高いパフォーマンスを発揮できるのです。

NIMS研究者のエフォートのうち50%はNIMSのミッション、50%は個人の自由発想研究

充実した最先端研究設備

研究に不可欠な実験装置。NIMSは最先端設備を数多く取り揃えています。中には、世界的にみても数少ない、貴重な装置も。
最高の物質・材料研究の環境がNIMSにあります。

スピン角度分解光電子分光装置の写真

物質中にある電子の結合エネルギーや運動量、スピン状態の測定ができるスピン角度分解光電子分光装置。世界に10ヵ所ほどしか設置されていない貴重な装置で、中でも特にNIMSの装置は高性能です。

TEMの写真

透過電子顕微鏡 (TEM)をはじめ、様々な顕微鏡や解析・測定装置が揃っています。

共用設備は外部の方も利用できます!

文部科学省の「マテリアル先端リサーチインフラ」事業の一環として、NIMSの最先端共用設備はNIMSの研究者だけではなく、国内外の大学、企業、公的機関の研究者に提供して研究開発をサポートしています。

NIMS Open Facility

トップレベルの研究所

材料科学分野で国内No.1の影響力!

NIMSは材料科学分野で最も影響力のある日本の研究機関と評価を受けています。

分野別トップ10
(材料科学/MATERIALS SCIENCE)

国内順位 機関名 高被引用論文数 高被引用論文数の割合
1位 物質・材料研究機構(NIMS) 157 2.4%
2位 東京大学 76 1.5%
3位 東北大学 53 0.8%
4位 産業技術総合研究所 51 1.3%
5位 京都大学 38 1.0%
6位 理化学研究所 32 2.8%
6位 九州大学 32 0.9%
8位 早稲田大学 27 2.6%
9位 東京工業大学 20 0.6%
10位 北海道大学 19 0.8%

他の分野でのNIMSの順位

化学 国内3位
物理 国内3位
総合 国内6位

論文がハイレベル!NIMSは世界トップクラス研究機関!

NIMSは論文数に対しての世界トップ1%論文の割合が高く、世界トップクラスの研究大学・研究機関と肩を並べています。

トップ1%論文(2016年~2022年の平均値の図)。
※トップ1%論文とは、論文の被引用数が各分野の1%に入る論文です。

研究者100人当たりの特許収入、国内No.1!

研究者100人あたりの特許収入を日本の研究機関・大学で比較すると、NIMSは突出して高い特許収入を得ています。

研究者100人あたりの特許収入(2020年度)の表。NIMSが突出している。

世界的企業が注目!NIMSとの連携

企業連携センター

「使われてこそ材料」の信念のもと、NIMSは企業との連携を通じた産業界への貢献を重視しています。中長期のロードマップに基づいて戦略的かつ持続的な連携を進めています。
ソフトバンクや日本ロレアル等、世界的企業とNIMSが連携して次世代の技術開発を進めています。

マテリアルズオープンプラットフォーム(MOP)

NIMSを中核とした、業界別の「オープンプラットフォーム」を形成。同業多社間の事業で共通している部分は協働する「水平連携」体制により、イノベーション創出力を強化していきます。現在複数の領域のオープンプラットフォームを運営中。

MOPの概略図

世界に開かれた国際性

NIMS研究者のうち、なんと約30%が外国籍。NIMS構内で常に様々な国の言葉を耳にすることができるほど国際的な研究所です。
中でも「ナノアーキテクトニクス材料研究センター(MANA)」や「若手国際研究センター(ICYS)」は特に国際性に富んでおり、 世界中から集まる優れた研究者たちが、新しいアイデアを出し合い最先端の研究に取り組める環境を提供しています。

外国籍研究者が会話をしている様子の写真

「ナノアーキテクトニクス材料研究センター(MANA)」は、国際性に富むオープンな研究環境を提供。世界中の研究者や学生が活躍しています。

若手研究者が研究をしている写真

「若手国際研究センター(ICYS)」では、将来有望な若手研究者が自分自身のアイデアに基づく研究に挑戦して、優れた成果を挙げています。

世界から学生が集まる

NIMS内では国内だけでなく世界中からやってきた学生を数多く見かけます。NIMSは大学ではないのに一体なぜでしょうか。それは、NIMSが将来を担う若手の育成に力をいれているから。
NIMS連携大学院」や「国際連携大学院」といった制度を利用して、多くの学生がNIMSを訪れ、NIMS研究者の指導のもと最先端の材料研究を行っています。

海外の学生が研究している様子の写真
NIMSと連携している海外の大学の地図(2023年6月時点)

研究する・暮らすのに最適な周辺環境

NIMSがある茨城県つくば市。研究機関や企業、商業施設が数多く存在する一方で、筑波山や大きな公園などがあります。研究学園都市として都会的でありながら、自然にも触れられる環境です。

都内からのアクセスも楽

TXつくば駅から秋葉原まで最速45分

他機関との
連携がしやすい環境

つくば市の国等の大学・研究機関は29機関

仕事のリフレッシュや
買い物にも困りません

商業施設・公園 多数

急な体調不良も安心

夜や土日に診療できる病院もあります

子どもの知的好奇心や
国際感覚も養えます

子育て・教育にも良い環境

※出典:茨城県WebSite-国等の研究機関(2021年10月7日時点)

NIMSにはこんな特徴も!

女性が働きやすい環境

多様な価値観・ライフスタイルを持っている職員一人ひとりが仕事や家庭の生活全体を充実させることが、機構の活性化に繋がるものと考え、だれもが働きやすい職場作りに向けて取り組んでいます。

転勤がない

NIMSの3地区(千現・並木・桜)に分かれた敷地は、すべてつくば市内にあります。転勤による急な引っ越し等が無いため、自身や家族のライフスタイルを崩すこともありません。

つくば駅に一番近い研究機関!

つくば駅から、緑あふれる遊歩道を15分歩けば、NIMSのメインキャンパス(千現サイト)に到着します。
広いつくばで駅から歩けるのは、本当に便利です。