三菱マテリアル株式会社 (以下、「MMC」) と国立研究開発法人物質・材料研究機構 (以下「NIMS」) は、86元素を網羅する銅合金の特性予測モデルを新たに構築いたしました。本モデルを用いた両者の共同研究の結果、銅に添加する元素としてマグネシウム (Mg) が最も総合的に優れていることを明らかにしました。
MMCとNIMSは、NIMS-三菱マテリアル情報統合型材料開発センターを2020年に設立し、情報統合型材料開発システムの研究に取り組んでまいりました。このたびの共同研究はMMCの銅合金設計技術およびシミュレーション技術と、NIMSが得意とするデータサイエンスを利用した材料開発手法である「データ駆動手法」を融合させ、実現したものです。
安定性、コスト、安全性の観点でリアルでの実験が困難な銅合金に対して、シミュレーション技術とデータ駆動手法を組み合わせ、銅合金特性の予測精度を高めた特性予測モデルを構築し、銅に加えるさまざまな添加元素を比較しました。その結果、銅に加える添加元素としてマグネシウム (Mg) が最も総合的に優れていることを明らかにしました。これによりMMCのCu-Mg系固溶強化型合金「MSP®シリーズ」の特性・品質の高さを示すことができました。
三菱マテリアルとNIMSは、今後も組織間連携を深め、得られた成果の普及と活用の促進を通じ、日本の素材産業全体の国際競争力の強化に貢献してまいります。