オープンサイエンスをすべての人に!STAM誌・STAM Methods誌 APC無料キャンペーンのお知らせ

論文の掲載料(APC)の高騰が世界的な課題となる中、NIMSはスイス連邦材料試験研究所(Empa)と共同で、材料科学専門の国際オープンアクセスジャーナル『Science and Technology of Advanced Materials (STAM)』およびその姉妹誌『Science and Technology of Advanced Materials: Methods (STAM Methods)』において、一定の条件を満たした論文を対象に、期間限定でAPC(掲載料)を免除するキャンペーンを支援します。

通常、STAM誌のAPCは131,000円、STAM Methods誌は87,300円ですが、所定の条件を満たすことで著者負担なしで、オープンアクセス出版が可能となります。

地球温暖化や新型感染症の拡大など、地球規模での課題解決には、研究成果を迅速かつ公平に社会に届ける「オープンサイエンス」の推進が不可欠です。2023年5月のG7においても科学的知識の公平な共有とオープンサイエンスの拡大が宣言され、この動きは国際的に加速しています。

STAM誌は、NIMSとEmpaの共同支援のもと、材料科学分野のトレンドを世界に発信することを使命とし、2008年には購読料を無料とするゴールドOA(オープンアクセス)ジャーナルへ転換するなど、オープンサイエンス推進の先駆的な取り組みを行ってきました。

APC免除キャンペーンについて

STAM発刊25周年を記念して実施したAPC免除キャンペーンは 2025年度末に終了となりました。この間、STAM誌をオープンサイエンスのための出版媒体として選択する研究者が増えました。この実績をもとに、NIMSは2025年4月より、論文データの「NIMSリポジトリ(MDR)登録」を条件に、APC免除を引き続き実施することとしました。この取り組みは、2021年に創刊されたデータ駆動型材料研究に特化した姉妹誌STAM Methodsにも適用されます。

本キャンペーンを通じて、NIMSはデータ公開の促進とオープンサイエンスの拡大、そして材料科学のさらなる発展に貢献していきます。

※APC (Article Publishing Charge) = オープンアクセス出版の著者負担金

『STAM』および『STAM Methods』について

 『Science and Technology of Advanced Materials(STAM)』は、材料科学の多様な分野を幅広くカバーする国際的な英文オープンアクセスジャーナルです。2000年に創刊され、2024年に発表されたインパクトファクターは 7.4。これは国内ジャーナルとしてトップクラスであり、材料科学および学際分野における最高ランク(Q1)に位置付けられています。

2025年4月現在、編集委員長である宝野 和博 NIMS理事長をはじめ、世界10か国から集まった39名の専門家が編集委員を務めており、世界水準の研究成果を発信するプラットフォームとして機能しています。

姉妹誌である『Science and Technology of Advanced Materials: Methods(STAM Methods)』は、データ駆動型材料研究など手法に特化した英文ジャーナルとして2021年に創刊されました。2025年中には、初めてのインパクトファクターが付与される予定です。

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