「ヘルスケア」、「ICT & エネルギー」、「サステナブルリビング」分野で先端的な次世代材料開発及び次世代材料の製造技術の開発を目指す

2024.01.15 更新

「NIMS-DENKA次世代材料研究センター」

2013年6月に設立された「NIMS-DENKA次世代材料研究センター」は環境にやさしく省エネルギーに優れ、社会の快適に貢献する次世代先端材料に関する基礎研究および基盤技術開発の促進と実用化を目指しています。

創業以来ユニークな素材・材料を提供し続けているデンカと、物質・材料研究を総合的かつ専門的に行い世界水準をリードするNIMSとが連携することで、従来の素材提供や材料開発のみに留まらず、社会ニーズに沿った環境に配慮した社会づくりへのソリューションを提供することを目指します。その研究開発拠点として、デンカイノベーションセンター (町田市) も積極的に活用します。

デンカイノベーションセンター




これまでもNIMSとデンカは共同研究より事業化に結びついた成功例が複数あります。1983年、NIMSの前身である無機材質研究所で開発された六ほう化ランタン (LaB6) 単結晶を電子顕微鏡の心臓部に用いる高輝度電子源として製品化に成功しました。これはエミッター事業として大きく発展し、様々な電子銃などを世界中の電子顕微鏡メーカーに供給することで科学技術や工業の発展に大きく貢献しています。 また、2009年には消費電力が少なく次世代の照明である白色LEDに使用される蛍光体を共同で開発し、液晶テレビのバックライトや照明器具の普及に大いに貢献しています。現在は、次世代蛍光体やその他の複数の新材料開発を進めており、また併せてグローバル社会で活躍出来る技術者の育成も行っています (LaB6陰極エミッター、蛍光体ともに井上春成賞を受賞) 。

本研究センターでは「ヘルスケア」、「ICT & エネルギー」、「サステナブルリビング」を重点分野と定め、高効率・高機能化した材料の開発を通じて広く社会への貢献を目指します。


センター長挨拶

2018年4月1日付で当センター長に就任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
当センターは、第2期 (3年) の最終年度という区切りのタイミングにありますので、まずは蛍光体を中心に蓄積された技術基盤の着実な定着とさらなる発展に取り組んで参ります。さらに次期に向けて、重点分野である「ヘルスケア」、「ICT & エネルギー」、「サステナブルリビング」それぞれにおける新たな要素技術確立のために、従来のニーズ - シーズマッチングに加えて、NIMSサイドからの提案型の研究テーマ構築も当センターの機能として取り入れていく考えでおります。
こうしたセンター機能強化の取り組みは、我々センター関係者のみで成し遂げるのは困難で、デンカ、NIMSの皆様とより良い産官連携を形作っていく必要があります。そのような活動を通じて、”新たな価値を創造(つくる)ことで、社会発展に貢献する” (Denkaの使命より抜粋)を具現化するような貢献を目指して参ります。

(フェロー, 機能性材料研究拠点サイアロングループ グループリーダー 廣崎 尚登)


副センター長挨拶

デンカ株式会社は、おかげさまで2015年に創業100年を迎えることができました。コーポレートスローガン「世界に誇れる、化学を。 (Possibility of chemistry) 」は、新たな100年のスタートにあたり、グローバル企業としてさらなる成長を目指し、「新たな創業」の第一歩を力強く踏み出したいとの思いを込めたもので、化学の未知なる可能性に挑戦し、新たな価値を創造し社会発展に貢献することを表しています。特に研究開発部門では、「ヘルスケア」、「ICT & エネルギー」、「サステナブルリビング」の3つの重点分野において、新たな成長ドライバーへの経営資源の集中と次世代製品開発への取組みを進めております。このために、当社グループ力を結集し、「オープンイノベーション」をキーワードに外部機関とのコラボレーションによって、SDGsを羅針盤とした新たな価値の創造とイノベーションを目指しています。「NIMS-DENKA次世代材料研究センター」はその中核的存在として機能し、無機・複合材料や高分子・有機材料の創成、ナノ構造制御、生化学・医療用途およびインフラ関連などの各種技術開発に注力しています。これらの活動を通じて、新たな価値の創出を目指して行きます。

(デンカイノベーションセンター 副センター長 村田 弘)


デンカ株式会社


デンカ株式会社は大正4 年 (1915 年) の創立以来、化学工業を基盤として様々な製品を生み出し、社会の発展に貢献し、信頼される企業を目指してまいりました。そして創立100周年を機に、「Denkaの使命 (Denka Mission) 」と「Denkaの行動指針 (Denka Principles) 」から構成される企業理念「The Denka Value」を制定いたしました。

“Denkaの使命 (Denka Mission) : 化学の未知なる可能性に挑戦し、新たな価値を創造 (つくる) ことで、社会発展に貢献する企業となる。”
※コーポレートスローガン : 「世界に誇れる、化学を。 (Possibility of chemistry) 」

私たちデンカはこれからの100年も、社会から信頼される企業グループとして、より良い社会作りに貢献するために今、未来に向けて何をすべきかを考え、行動してまいります。

デンカは、成長市場の新たなニーズに応えながら業績に直結させるべく、「ヘルスケア」、「ICT & エネルギー」、「サステナブルリビング」などの成長分野に経営資源を集中して、次世代製品の開発への取組みを強化しています。NIMS との人的交流や技術セミナーの開催、デンカイノベーションセンターにおける交流などを通じて、包括的な研究連携を強化しながら、次世代機能性材料の開発を目指しています。

詳細はウエブサイト http://www.denka.co.jp をご覧下さい。


研究対象

「ヘルスケア」、「ICT & エネルギー」、「サステナブルリビング」などの成長分野に経営資源を集中し、次世代製品の開発に取組んでいます。

研究概要

  1. 次世代蛍光体開発と特性解析
  2. 放熱材料・発光/蛍光材料など有機・無機材料の研究開発、インフラ材料やライフサイエンス関連の研究開発


NIMSの技術の事業化例

六ほう化ランタン (LaB6) カソード

第8回井上春成賞受賞




蛍光体  緑色、黄色、赤色

緑色 βサイアロン蛍光体
第36回井上春成賞受賞


黄色 αサイアロン蛍光体




所在地

お問い合わせ先

〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
国立研究開発法人物質・材料研究機構
企業連携室
TEL:029-859-2735
FAX:029-859-2500