講演要旨
高分子材料分野において、高分子コロイドやマイクロスフィアは大きな材料体系を築いており、既に様々な工業分野で利用されている。一方で、明確に定義された高分子ナノ結晶の研究は作製手法「再沈法」の確立を待ってようやく開始された。これまで、擬一次元π共役系高分子のひとつであるポリジアセチレン (PDA) をナノ結晶化することで、有機結晶に特有な光学応答のサイズ効果を初めて見出すとともに、三次非線形光学材料や有機光触媒へ研究展開してきた。本セミナーでは、有機ナノ結晶の作製から、光学特性の更なる向上を目指した貴金属ナノ材料とのハイブリッド化、光学応答評価まで、最近の研究展開を紹介する。