臨時増刊号
2011.09.29 発行
今号の内容
(独) 物質・材料研究機構 (NIMS) より ■─────────────────────────────────■ NIMS『使える ! メールマガジン』 臨時増刊号 2011.9.29 ■─────────────────────────────────■ 注目リリースが発行されました。臨時増刊号をお届けします。 ※登録解除、お問い合わせはこちらから。 mailmag[at]nims.go.jp 題名に「登録解除」「問い合わせ」など表記してください。 ──────────────〔 もくじ 〕─────────────── 1. リリース速報 ~生命の起源 : 『化学進化』は海底地下でおこった ! ~ 2. 開催 ! NIMSフォーラム 『想いを込めた技術が、そこにある』 ─────────────────────────────────── ◆1 : 最新研究リリース ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『生命の起源 : 「化学進化」は海底地下でおこった ! 』 [9月28日] ~高温高圧条件下におけるアミノ酸のペプチド化を解明~ 今回の成果は、生命の起源に迫る話です。 生命が誕生するには、アミノ酸がいくつも結びつき (重合) 、タンパク質の元 になるペプチドが作り出されなければなりません。単純なアミノ酸→ペプチド →タンパク質という「化学進化」がどこでどのように起こったのか、言わば生 命誕生の準備が古代地球でどのように進んだのかは、今も謎に包まれています。 この「化学進化」が、海底の地下深くで進んだということを示唆する研究成 果が得られました。 実験では、アミノ酸だけをカプセルに封入し、超高温超高圧をかけました。 すると触媒などをいっさい必要とせずに重合反応が起こり、ペプチドが生成す ることが世界で初めて明らかになりました。 このとき重要なのは、カプセルの中には水を入れていないことです。これま で「化学進化」は深海の熱水中で起きたという説がありましたが、一方で熱水 中では、生成したペプチドやタンパク質がすぐに分解してしまうことが指摘さ れて生命の誕生には結びつかないと指摘されていました。 今回の実験で水のない環境でペプチドが生成しました。そして、生まれたペ プチドは水がないため長時間安定して存在し続けました。さらに圧力が高いほ ど多くのペプチドが生成し、より長時間安定していることもわかりました。 アミノ酸が海底に次々と蓄積し、海底の地下に積層して高温高圧の環境下に おかれます。周囲の水は高圧により脱水され、その中で、生命誕生に必要な高 分子が着々と作られたと考えられます。 http://www.nims.go.jp/news/press/2011/09/p201109270.html 「生命の維持に水が欠かせないことから、生命誕生に必要な物質が生成する 際にも水が不可欠だという先入観を持ちがちだが、少なくともタンパク質の材 料となる物質が揃う過程はむしろ水がないことが鍵となっていた」と、研究に あたった中沢名誉フェローが申しております。 ◆2 : 開催 ! NIMSフォーラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 物質・材料研究機構には「都市鉱山」の研究集団がいます。得意技は、混沌 とした廃棄物の中から狙った物質を確実に回収することです。その技術を彼ら は今、放射性物質の除去に活かそうとしています。水、稲わら、汚泥から狙っ た放射性物質を回収するわけです。 これに必要な技術を持つのがエジプトから来て10年になる研究者のシェリ フ。震災後、彼は、家族を連れて一度はエジプトに帰ります。その際、リーダ ーから『君の技術で日本を助けてくれ』と言われました。1ヶ月後、シェリフ は単身つくばに戻り、ヨウ素とストロンチウムを回収するビーズを作り上げま した。 狙った物質を確実に回収する技術。シェリフがこれを開発した背景には、強 い信念があります。祖国を救いたいのです。水不足のエジプトでは、地下水が ヒ素に汚染されていると言います。この技術でヒ素を取り除き、安心して水の 飲める国にしたい。彼が研究に打ち込む強い動機です。 『想いを込めた技術が、そこにある』 NIMSフォーラム。10月26日開催。 ──────────────────────────── 今年もNIMSの最新成果を一同に集める展示会、NIMSフォーラムが開催さ れます。あなたの企業を変える技術を、直接ご覧ください。 2011年10月26日 (水) 10 : 00~18 : 00 〔受付開始 9 : 30〕 有楽町 東京国際フォーラム ホールB7 現在、参加登録の事前受付中 ! 詳細・お申し込みはこちら http://www.nims.go.jp/nimsforum/registration.html ─────────────────────────────────────── ※本メールマガジンに関するお問合せはこちらまで pr=nims.go.jp ([ = ] を [ @ ] にしてください) ※メルマガ登録解除は下記アドレスに【空メール】をお送りください nims.unsubscribe=fofa.jp ([ = ] を [ @ ] にしてください) ─────────────────────────────────────── 独立行政法人物質・材料研究機構 企画部門 広報室 〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 TEL. 029-859-2026 (広報室直通) URL:http://www.nims.go.jp/ ※掲載記事の無断転載を禁じます。 Copyright (c) NIMS. All rights reserved.
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