「プラズモニック構造を利用したシリコンMEMSモノリシック赤外SPR分光センサ」
ユーザー氏名 :
菅 哲朗, 大下 雅昭, 安永 竣 (電気通信大学)
実施機関担当者 :
澤村 智紀, Eric Lebrasseur, 藤原 誠, 岡本 有貴, 水島 彩子, 宇佐美 尚人, 肥後 昭男, 太田 悦子, 三田 吉郎 (東京大学)
汎用的な材料であるシリコンと金属材料だけを用いて、表面プラズモン共鳴を検出できるナノ構造と、振動するMEMS構造を合わせ持つようにナノレベルの微細加工を施された、新しい発想の赤外線センサを開発した。両者の構造を組み合わせたデバイスは世界的に例がない。材料表面をプラズモニック構造に加工することにより、本来、シリコンでは検出できない赤外線を電気信号として検出することが可能になった。また、材料をMEMS構造とし振動させることにより、検出波長や偏光を自由に検出することが可能になった。半導体に広く使われているシリコンを使用していること、複雑な製造プロセスではなくMEMSの加工工程により製造できること、それ故に小型であることなどの特徴がある。これらの特徴により赤外線センサとして既に多種多様な分野へ応用展開が進められている。医療、セキュリティ、効率的な生産など、安全・安心を求めるSDGsの目指す社会にふさわしい新しいデバイス開発である。