超スマート社会実現に向けてIoT、AIなど大規模な情報処理・高速化の技術開発が進められている中、ナノテクノロジーは高速ワイヤレス通信、パワーデバイス、超低消費電力デバイス、センサー・アクチュエータ、ウエラブルデバイスなどの基盤技術として活用されています。今回の「ナノテクノロジー総合シンポジウム」では、冒頭に、文部科学省ナノテクノロジー・材料科学技術委員会主査で東京工業大学前学長の三島良直氏に、「未来社会実現に向けたナノテクノロジー・材料分野の研究開発戦略」について講演いただくほか、いまやIoTの代表的基盤技術である“MEMS”技術進化の過程と未来を、草創期からの第一人者で東北大学教授の江刺正喜氏に講演していただきます。
続くセッションでは、IoTの必須技術であるセンサーとアクチュエーターを取り上げ、物質・材料研究機構の川喜多センサ・アクチュエータ研究開発センター長に、農業とヘルスケアへの応用を目指した研究開発について、また名古屋大学准教授の新津葵一氏にコンタクトレンズにセンサーと発電ICを組み込んだ最新の応用事例を講演いただきます。
さらに、海外のナノテクノロジー研究開発最新動向について、まずアジアにおける代表的なナノテク拠点であるシンガポールにおける高度でオープンな研究施設構築と、ニューラルデバイス技術について、シンガポール国立大学T. V. Venkatesan教授に講演いただきます。続いて、長年にわたり表面分析技術に関連した装置共用を行っているオーストラリアサウスウェールズ大学教授の P. J. Cumpson氏から、オープンで多数のユーザーに利用される環境構築について講演いただきます。三人目は、代表的装置共用プラットフォームである米国NNCIに参加しているヴァージニア工科大学教授の M. Murayama氏から、研究施設共用の現状と研究応用について話していただきます。
最後に、ナノテクノロジープラットフォームの将来展望について、プログラムディレクター佐藤勝昭氏が語るほか、本事業における最新の成果をそれぞれ三分野から発表いたします。