宇宙関連材料強度データシート発行について

2022.10.12


NIMSでは、中立的な立場で試験規格に従い、機械特性の系統的なデータを取得し、クリープ、疲労、腐食、宇宙関連材料強度の各データシートを発行しています。これらのうち、ロケットエンジンにも使われるTi-6Al-4V ELI合金 (不純物元素の少ないチタン合金) について宇宙関連材料強度データシートを発行しました。

「宇宙関連材料強度データシート No. 31Ti-6Al-4V ELI合金 (φ300mm鍛造材) の極低温疲労き裂進展特性データシート− 応力比の影響 − (国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構と連携) 」の画像

宇宙関連材料強度データシート No. 31
Ti-6Al-4V ELI合金 (φ300mm鍛造材) の極低温疲労き裂進展特性データシート
− 応力比の影響 −
(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構と連携)



- 253℃ (20 K, ガスヘリウム環境) 、液体窒素温度 - 196℃ (77 K, 液体窒素環境) 、室温20℃ (293 K, 大気環境) での高応力比の疲労き裂進展特性データを掲載しています。さらに、材料の試験前の金属組織写真、試験後の下限界応力拡大係数範囲 (ΔKth) 近傍の破面写真と疲労き裂の進展経路と金属組織の対応を示した写真を掲載しています。

液体ロケットエンジンの信頼性を向上させるためには、エンジン運転時の過酷な環境下 (高温・高圧、極低温、熱衝撃、水素) での強度余裕を高い精度で把握し、構造設計や製造・検査工程に反映する必要があります。宇宙関連材料強度データシートは、エンジンの強度余裕評価や改良設計に使用され、打上げ成功に向けて大きく貢献しています。


問い合わせ先情報

(事業内容・データシートの入手に関すること)

国立研究開発法人 物質・材料研究機構
構造材料研究拠点 構造材料試験プラットフォーム
E-Mail: datasht=nims.go.jp
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