「第2回いばらきイノベーションアワード」優秀賞をNIMS研究員の受賞が決定

2021.12.10
(2021.12.23 更新)


いばらきイノベーションアワード実行委員会 (事務局 : 茨城県) 主催「第2回いばらきイノベーションアワード」について、機能性材料研究拠点 機能性材料研究拠点 ポリマー・バイオ分野 電子機能高分子グループ 樋口昌芳 グループリーダーが優秀賞に選出されました。

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授賞式での記念撮影の様子。 (左) 樋口 昌芳 グループリーダー、 (右) 大井川茨城県知事



いばらきイノベーションアワードは、茨城県内に主な事業所を有する企業及び個人において、先端技術を活用した新製品・新サービスを対象としており、 (1) 革新性・独創性があること (2) 汎用性・市場性があること (3) 地域の課題解決に貢献すること (4) 先端技術の社会普及につながること の4つを基準に評価が行われ、選出されます。

なお、授賞式は12月15日に茨城県庁舎にて執り行われました。

第2回いばらきイノベーションアワード 優秀賞

メタロ超分子ポリマー 「Poly(Fe-btpyb) Purple」

NIMSで開発したメタロ超分子ポリマー「 Poly(Fe-btpyb) Purple 」は、金属イオンと有機モジュールの錯形成により合成されたエレクトロクロミック特性をもつポリマー材料で、調光ガラスの性能を決める鍵材料です。本受賞にあたり、以下の点が評価されました。

革新性・独創性

本製品は、プラスチックやゴム等ポリマー鎖が炭素 - 炭素共有結合等からなる従来のポリマー (高分子) と異なり、ポリマー鎖が配位結合でつながっている世界最先端の特殊構造を有するポリマー材料。

汎用性・市場性

従来のエレクトロクロミック材料 (酸化タングステン) は電極基板に製膜するために真空装置が必要であるが、本製品は水やメタノールに溶かして塗布により製膜するため、エレクトロクロミック材料を用いた調光ガラスに必要な設備投資が少額で済む。

地域の課題解決に貢献できること

調光ガラスによる温暖化対策の他、本製品の製造には、塗布、組み立て、配線、窓枠作製作等を要するため、県内企業による製造により地場産業の活性化に貢献できる。