船井情報科学振興財団 「船井研究奨励賞」をNIMS研究員2名が受賞
2025.04.07
平井 孝昌 主任研究員、安藤 冬希 NIMS特別研究員が「船井研究奨励賞」を受賞しました
表彰名
受賞者

平井 孝昌
磁性・スピントロニクス材料研究センター
スピンエネルギーグループ
主任研究員
受賞タイトル
研究業績概要
エレクトロニクスの発展と共に、熱エネルギーを高度かつ適切に制御・利用するための基盤技術:熱マネジメント技術の重要性が高まっています。氏は、“傾斜”や“切り紙”といった、造形学的な幾何学形状を物性物理研究に取り入れ、材料構造をエンジニアリングすることで、従来性能が低いとみなされていた物質(磁性体やプラスチック)から実用レベルに匹敵する熱エネルギー利用・制御性能を創発することに成功しました。氏のアイデアは特定の材料に限定されない汎用的な技術でありながら、物質のまだ見ぬ機能を引き起こすものであるため、物性物理・熱工学のみならず材料科学の発展にも大きく貢献することが期待できます。
表彰名
受賞者

安藤 冬希
磁性・スピントロニクス材料研究センター
スピンエネルギーグループ
NIMS特別研究員
受賞タイトル
研究業績概要
空間反転対称性の破れた物質では、多彩なスピン—電子変換現象や非従来的超伝導が発現します。氏は3次元人工多層構造による非対称性制御をコンセプトとした、新しい超伝導物性の開拓と熱電変換材料・モジュールの高性能化に成功しました。特に超伝導ダイオード効果の発見は超伝導とスピントロニクスの境界領域において一大潮流を生み出し、超伝導量子コンピューターへの応用が期待されています。さらに、氏の開発した数々の駆動原理による熱電変換モジュールは世界最高クラスの変換効率・発電密度を達成しており、当分野のエネルギー回収応用に向けて大きく貢献すると見込まれます。