第29号

2014.01.08 発行


今号の内容

(独) 物質・材料研究機構 (NIMS) より
■—————————————————————————————————■
NIMS『使える ! メールマガジン』  第29号 2014.01.08
■─────────────────────────────────■



1. 最新研究リリース
「酸化グラフェンのバンドギャップを自在に制御」ナノ高性能素子へ期待
2. シリーズ 最新研究映像『NIMSの力 ! 』No.8
「材料開発に世界初の技術  ~固体 - 液体界面にXPSを使う~」  
3. nano tech2014 開催 !  NIMSが大型ブース出展
4. 広報誌『NIMS NOW』最新号

───────────────────────────────────




◆1 : 最新研究リリース  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「酸化グラフェンのバンドギャップをその場で自在に制御」
~新規炭素系材料を用いた高性能ナノスケール素子に向けて~
2013.12.16

炭素原子一層からなる究極の薄膜材料、グラフェン。ナノスケールで電子素
子や回路を作る次世代材料として精力的な研究が進んでいます。
しかし、グラフェン自体は金属と同じでバンドギャップがないため、半導体
のような特性を生み出すには課題があります。
今回、NIMSでは、グラフェンに電圧をかけ、酸素原子をグラフェン表面に吸
着させたり剥がしたりすることで、バンドギャップを形成させることに成功し
ました。酸素の着脱は可逆的なため、バンドギャップをその場で自在に制御す
ることができます。さらに、電圧をかけることをやめても作られたバンドギャ
ップは残るため、不揮発性の特徴を実現できます。
この技術を用いれば、グラフェンを用いた不揮発性スイッチング素子などの
高性能ナノエレクトロニクス素子の実現が近づくだけでなく、ダイヤモンドや
カーボンナノチューブなど新しい炭素系材料の物性制御に有力な手段になると
期待されます。
詳細はこちらです。
http://www.nims.go.jp/news/press/2013/12/p201312161.html





◆2 : シリーズ 最新研究映像「NIMSの力 ! 」 No.8 ━━━━━━━━━━
~材料開発に世界初の技術 固体 - 液体界面にXPSを使う~  

物質の反応を調べるとき、見たいものに応じた光を使います。前回このコー
ナーでは赤外線レーザーを使った観察についてご紹介しましたが、今回はX線
です。

X線を物質の表面にあてると、そこにある元素の種類、原子の配置や酸化状態
などを詳細に知ることができます。材料開発では、X線のこうした性質を利用し
たXPSという装置が使われています。真空中に材料を入れ、X線を当てると、物
質を詳細に観察できる装置で、今や世界中で使われています。

ただし、NIMSには他では不可能な、世界唯一のXPS技術があります。真空で使
うのが条件だったXPSを、液体の試料にも使えるようにした画期的なXPSです。
開発したのは次世代電池の開発拠点、GREEN (ナノ材料科学環境拠点) 。次世代
電池に欠かせない電極【固体】と電解液【液体】の反応を詳細に調べるため、
どうしても必要な技術でした。
従来、電極と電解液の組合せについて、言わば“総当たり戦”で進めてきた
電池開発について、なぜその組合せが良いのか、表面で起きている現象に基づ
いて理論的に進めることを可能にします。
開発に成功したのは、GREENに籍を置く一人の若き研究者です。多くの企業の
方からも注目される彼の研究、その詳細に迫ります。

http://www.nims.go.jp/publicity/digital/movie/mov140108.html





◆3 : nano tech2014 開催 ! 東京ビッグサイトにNIMSがビッグなブースで出展
1月29日 (水) ~31日 (金)

ナノテクノロジーに関する世界最大の展示会、「nano tech」が今年も開催さ
れます。情報通信、エレクトロニクスから、医療・健康、バイオ、環境・エネ
ルギーまで、最新技術が世界中から集まります。
NIMSは大型ブースを構え、ナノテクを駆使した材料開発の最新成果を一挙公
開します。

・高活性なナノ構造触媒
・普遍元素で構成可能な新熱電材料
・両極性、多値スイッチなどの高機能有機トランジスタ
・超簡便、超高感度な分子センサー
・ドラッグデリバリーやガン温熱治療を行うスマート高分子
・ナノ組織化で完成した高強度ネジ
・材料設計を飛躍的に高率化できる「材料データベース」

などなど。
また、NIMSの大型施設や最先端共用施設利用サービス、会員制のオープンイノ
ベーション事業などについても、詳細にご説明いたします。
nano tech2014 NIMSブースにぜひお越し下さい。

1月29日 (水) ~1月30日 (金)  10:00~17:00
東京ビッグサイト 東展示場5ホール (5V-17)

詳細はこちらです。
http://www.nims.go.jp/publicity/events/2014/nanotech2014.html




◆4 :  広報誌『NIMS NOW』最新号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最新 (2014年1 - 2月合併号) 号は「新材料創出を可能にする粒子プロセスの
開発と応用」を特集します。

セラミックスは、有機材料とも金属材料とも違う独特の性質をもっています。
その性質を利用して、今ではさまざまな生活のシーンで使われています。NIMS
では、ナノメートルからマイクロメートルの微細なセラミックスの粒子の構造
を高度にコントロールして、新しい機能を持った材料を作ることを目指してい
ます。
ユビキタス元素 (地球上に豊富な元素) を使い、環境調和型多機能無機材料
(特に光デバイス、燃料電池、二次電池材料等) にフォーカスしています。
NIMSで最新動向をご覧ください。

3月号は「磁性材料」特集の予定です。





———————————————————————————————————
※本メールマガジンに関するお問合せはこちら。
pr=nims.go.jp ([ = ] を [ @ ] にしてください)
※メルマガ登録解除は下記アドレスに【空メール】をお送りください。
nims.unsubscribe=fofa.jp ([ = ] を [ @ ] にしてください)
———————————————————————————————————
本メールマガジンはエクスペリアンジャパン社の「FormFactory」を利用して
配信します。登録されたデータを本メールマガジンの配信以外に使用することは
ありません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
独立行政法人物質・材料研究機構 企画部門 広報室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 TEL. 029-859-2026 (広報室直通)
URL:http://www.nims.go.jp/
※掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright (c) NIMS. All rights reserved.


メールマガジンのご購読

以下のメールアドレスに空メールをお送りください。送信後、ご登録完了メールをお送りいたします。

nims.mailmag=fofa.jp ([ = ] を [ @ ] にしてください)

最近のNIMSメールマガジン

2024.01.24

2023.12.13

2023.12.01