戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)

戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) 第3期課題「マテリアル事業化イノベーション・育成エコシステムの構築」の研究推進
2024.11.22 更新

お知らせ



課題・社会実装に向けた戦略及び研究開発計画

課題

「マテリアル事業化イノベーション・育成エコシステムの構築」

SIPロゴマークおよびマテリアル課題ロゴマーク

社会実装に向けた戦略及び研究開発計画


関連ファイル・リンク

プログラムディレクター (PD)

木場 祥介 ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社 代表取締役パートナー

木場 祥介 ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社 代表取締役パートナー


ミッション

10年後の姿

  • マテリアルユニコーンが次々と生まれる、データ駆動開発の基盤をフル活用した「マテリアルユニコーン育成基盤」をベースとしたエコシステムの確立。
  • 我が国からマテリアルユニコーンを数多く創出 (=高研究開発効率のインパクトある企業の創出) 。
  • 上記の結果、「マテリアルの社会実装に必要なプロセスデータは必ず日本を経由しなければならない」状態の創出。

マテリアル産業が目指す将来像

ミッション達成に向けたシナリオ

  • フェーズ1 : SIP検討期間=エコシステムの基礎構築 (2023年~2027年 : エコシステムの基礎を構築)
  • フェーズ2 : エコシステム醸成 (2028年~2032年 : 実践を通じて実績を積み上げる期間)
  • フェーズ3 : 循環成長 (2032年~2040年頃 : ゴールの状態)

エコシステム形成の発展段階


3つのサブ課題

最初の基礎となるフェーズ1として、3つのタスク=サブ課題を設定しています。 各課題が緊密に関係し連携することで初めて「マテリアルユニコーン育成基盤の構築」が成し得るとの考えから、個別の技術開発だけでなく、企業・消費者の行動変容を促せるよう、人文・社会科学分野も含めた幅広いステークホルダーが参画し「総合知」を活用することで、産学官民が連携して共通の課題に取り組む体制を、PD、サブPDのリーダーシップの下、各課題で親密に連携し合いながら構築します。
  • サブ課題A「エコシステム形成の為のソフトインフラ整備」
  • サブ課題B「データ基盤の連携技術の確立」
  • サブ課題C「マテリアルユニコーン予備軍の創出」

本課題における研究開発に係る全体構成


サブ課題A「エコシステム形成の為のソフトインフラ整備」

個別テーマ

 中核となるプラットフォームにユニコーン育成のための機能を付与します。この為のソフトインフラを整備します。
  • 個別テーマ(1)「プラットフォームの円滑運用手法の検討」 : プラットフォームを核に、将来エコシステムを形成するにあたって必要な論点を整理した上で、運用ルール策定、収益化モデル、利益分配スキームの検討を行います。その上で、エコシステム形成に必要な事業化人材の要件定義を行い、その育成を実施します。
  • 個別テーマ(2)「プラットフォーム活用の為の情報発信」 : プラットフォームの活用を積極的に進める為ワーキンググループを設置し、アカデミア、産業界での周知を図っていく他、利活用を進める為の情報発信手段についての整備を行います。

社会実装に向けたSIP期間中の達成目標

我が国のフィジカル・サイバーの研究開発基盤 (プラットフォーム群) が有機的に接続されたマテリアルユニコーン育成基盤の、特にエコシステム形成に係る運用面でのソフトインフラを構築する。その上で、新事業が次々に生まれることでプラットフォーム群が安定的な収益を得ながら、これを原資として拡大再投資をしていくエコシステムの形成を目指す。

SIP後の事業戦略 (エグジット戦略)

SIP期間中に整備したプラットフォーム間連携ルール、事業設計、制度に基づいて、育成した事業化人材を活用しながら持続的に運営し、ユニコーン等の新事業創出のためにスタートアップ等の支援を実施する。


サブ課題B「データ基盤の連携技術の確立」

個別テーマ

 中核となるプラットフォームを通じ、日本国内のさまざまなデータ資産・基盤を有機的に連携していくことで、マテリアル分野において事業化を推進し、ユニコーン等を育成するための基盤の形成を目指します。
  • 個別テーマ(1)「プラットフォーム連携のための基盤技術の構築」 : スタートアップ等の研究開発を加速し、マテリアル分野の事業化イノベーションを推進していくために、中核となるデータプラットフォームを選定し、日本国内の種々のデータ資産を連携・活用させるために必要な基盤技術の開発と当該データ連携に係るエンジニアリング人材の育成を実施します。
  • 個別テーマ(2)「我が国マテリアルデータ資産のネットワーク化」 : これまでの公的資金プロジェクト等によって大学・国研に蓄積されたマテリアルデータを再利用できる形で収集するとともに、継続的なマテリアルデータベースの蓄積に向けた仕組みを確立します。

社会実装に向けたSIP期間中の達成目標

我が国のフィジカル・サイバーの研究開発基盤 (プラットフォーム群) が有機的に接続されたマテリアルユニコーン育成基盤における、特にデータ基盤の連携にかかる技術を確立する。その上で、サブ課題A及びサブ課題Cと連携し、新事業が次々に生まれるプラットフォームとしての確立を目指す。

SIP後の事業戦略 (エグジット戦略)

SIP期間中に整備したプラットフォーム間連携技術を用いて、データ連携エンジニアリング人材が適切なコーディネーションをしながら、ユニコーン等の新事業創出のためにスタートアップ等の支援を実施する。


サブ課題C「マテリアルユニコーン予備軍の創出」

 マテリアルユニコーン育成基盤の構築と共に、本基盤から生まれるロールモデルたるスタートアップ予備軍を創出し、マテリアル産業のGDP押し上げに繋げます。
  • 個別テーマ(1)「マテリアルユニコーン予備軍創出支援」 : マテリアル産業が目指すべきマクロトレンドにかかるボトルネック課題に取り組む、データ基盤により飛躍的な成長が見込めるスタートアップ候補或いは創業間もないスタートアップについて、3年の支援期間により開発ステージ2相当までの引き上げを行います。この引き上げの過程で、プラットフォームであるマテリアルユニコーン育成基盤と連携し、支援するスタートアップが活用する用途特化型アプリの開発も併せて行います。
  • 個別テーマ(2)「テーマメンタリング」 : 個別テーマの創出にあたり、効果的な事業シナリオ・研究開発計画立案の為の支援を行います。

社会実装に向けたSIP期間中の達成目標

我が国において、マテリアルユニコーン育成基盤がサブ課題Aで構築されるとともに、我が国マテリアル産業のGDPを将来大きく底上げするような、マクロトレンドを意識した社会課題解決につながるBig Theme (ボトルネック課題) に取り組むマテリアルユニコーン予備軍を複数創出する。そして、当該育成基盤から産まれた複数のスタートアップが2040年に時価総額1兆円を超えるデカコーンとなる事を目指す。

SIP後の事業戦略 (エグジット戦略)

SIP期間中に整備したプラットフォーム間連携技術、事業設計、制度に基づいて、継続的にスタートアップを支援することで、運営収入を得ると共にスタートアップの企業価値向上とデータ基盤としての価値向上に繋げる。さらに、積極的な支援を行うことで、スタートアップの株式市場への上場などにより、大きな収益を得、これを原資に自立したエコシステムとなることを目指す。




問い合わせ先

SIPに関する問い合わせ先
国立研究開発法人物質・材料研究機構 SIP推進室