NEDOが実施する「エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」において、今般、NIMSと明興双葉 (株) は、世界最細となる超電導線全体の直径が15マイクロメートルの超極細MgB2 (二ホウ化マグネシウム) 超電導線の開発に成功しました。導線を構成する超電導フィラメントについては、直径が5.5マイクロメートルと超極細です。化合物超電導線は一般的に脆 (もろ) く壊れやすいものですが、今回開発した超極細MgB2超電導線は、銅線のようなフレキシブルなハンドリングが可能で、コイルなどに巻くための耐曲げひずみ性の改善と、変動磁場による交流損失の大幅な低減に向け、大きく前進しました。
今後、本技術の採用により、小型で大出力を可能にする超電導モーターなどの研究開発が加速されれば、液体水素を搭載した電動航空機や超電導発電機など超電導応用機器の実用化にも一歩近づくこととなり、将来的には移動体分野における温室効果ガスの排出量削減に貢献します。
なお、今回の成果についてNIMSは、11月30日 (水) の国際会議
「The 35th International Symposium on Superconductivity (ISS2022)」の招待講演で発表します。