NIMSデータシートの発行について

~金属の疲労強度特性を調べた100億回におよぶ試験結果など3冊を新たに公開~

2017.04.03


国立研究開発法人 物質・材料研究機構

国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (以下NIMS) は、以下の3冊のデータシートを平成29年3月31日付けで発行しました。

概要

(1) 火力発電プラント用耐熱鋼のクリープデータシート改訂版を発行

シート名 : 『NIMS CREEP DATA SHEET No.57A
ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管 ASME SA-213 / SA-213M Grade TP347HFG (18Cr-10Ni-Nb) のクリープデータシート』

このステンレス鋼管は、主に火力発電ボイラの伝熱管として使用されています。今回の改訂版には、クリ - プ破断デ - タ (最長約6万1千時間で破断した試験片を含む) 、高温引張試験データ、受入れ材及び破断材の光学顕微鏡組織写真などが記載されています。

(2) ステンレス鋼、アルミニウム合金の疲労データシートを発行

シート名 : 『NIMS FATIGUE DATA SHEET No.122
ステンレス鋼SUS630 (16Cr-4Ni-4Cu)の高応力比側ギガサイクル疲労特性データシート』
シート名 : 『NIMS FATIGUE DATA SHEET No.123
アルミニウム合金板A7075-T6 (Al-5.6Zn-2.5Mg-1.6Cu)の低・高サイクル疲労特性データシート』

ステンレス鋼SUS630は高強度で耐腐食性にも優れていることから、原子力プラント、船舶の機械部品やボルトなどに使用されています。アルミニウム合金板A7075-T6も強度が非常に高いため、輸送機器等に用いられています。NIMSでは、機器の設計や保守管理を安全に行うため、これらの材料のギガサイクル疲労試験を行っており、今回、SUS630について1010 (100億) サイクルのギガサイクル疲労特性を、A7075-T6については、ひずみ制御試験による105サイクルまでの低サイクル疲労特性と荷重制御試験による108サイクルまでの高サイクル疲労特性を明らかにしています。
なお、SUS630で行っているギガサイクル疲労試験では、超音波疲労試験も採用しています。これまでは超音波疲労試験方法についての規格はありませんでしたが、平成29年3月1日に日本溶接協会規格WES1112として規格が制定されました。この規格の制定にはNIMSの研究者も深く関与しており、今回の超音波疲労試験も同規格に適合しています。

既刊のデータシートは各適用領域において、強度設計や材料選択の基準となる参照データとして多くの成果をあげてきており、上記のデータシートも広く活用されることが期待されます。

お問い合わせ先

(事業内容に関すること)

(1) クリープデータシート
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
構造材料研究拠点 構造材料試験プラットフォーム
木村一弘 (きむら かずひろ)
TEL : 029-859-2229
FAX : 029-859-2830
E-Mail: KIMURA.Kazuhiro=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
(2) 疲労データシート
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
構造材料研究拠点 疲労特性グループ
古谷 佳之 (ふるや よしゆき)
TEL : 029-859-2298
FAX : 029-859-2201
E-Mail: FURUYA.Yoshiyuki=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)

(広報に関すること)

〒305-0047 茨城県つくば市千現1 - 2 - 1
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 経営企画部門 広報室
TEL : 029-859-2026
FAX : 029-859-2017
E-Mail: pressrelease=ml.nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)

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