門脇万里子
サビを克服し、強靭な金属を作り出す


サビを克服し、強靭な金属を作り出す
構造材料研究センター 腐食研究グループ
主任研究員
Q1.どのような研究をしていますか?
金属は建物や自動車、小型製品などの材料として、日常生活の様々な場面で広く使用されています。しかし、さびて脆くなる「腐食」を生じやすいことが克服すべき課題の一つです。そのような金属が腐食するメカニズムを解明し、既存の金属材料の耐食性の向上や、腐食に強い新しい金属材料を創製することを目指して研究を行っています。現在は鉄鋼材料とアルミニウム合金を主な研究対象としています。
Q2.NIMSを選んだ理由をおしえてください
博士課程在学中にインターンシップとして、3か月間NIMSに滞在して研究を行いました。その際に見た、大規模な装置や研究スペースが豊富にあり、研究者一人一人が独自に・自分の裁量で研究に集中できる環境に魅力を感じてNIMSを選びました。また、転勤がなく安定して研究できる環境や、つくばの景観の良さや住みやすさ(交通アクセスの良さなど)も魅力に感じました。
Q3.NIMSの魅力は何ですか?
自由に独自の研究を進められる一方で、グループや研究分野の垣根を越えて異分野の研究者とディスカッションしやすい雰囲気があることが魅力の一つだと思います。私は、電気化学計測(実験)により材料の腐食現象を解析することを専門としていますが、NIMSに来てからはコンピュータ・シミュレーションや鋳造・鍛造による金属組織制御など、異分野の専門家の協力の元、専門分野外の色々なことにも取り組んでいます。そのような新しいことに挑戦しやすい環境があると思います。
Q4.今後のご自身のキャリア、やりたいことはなんですか?
現在は主に、すでに工業的に使用されている鋼材や合金について、「なぜ腐食するのか」「どうすれば腐食を防げるか」を解明することに取り組んでいます。このような研究で得られる知見を積み重ねて、将来的には「腐食に強い新しい金属材料」を自分の手で作り出すことにも挑戦したいです。また、研究活動としては海外の研究機関との連携や国際共同研究にもチャレンジしたいです。