手段と技術 / 合成・加工 | 電子・光機能材料研究センター

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本センターの研究開発
手段と技術 / 合成・加工

本センターで使われる技術には、大きく分けて、合成・製造技術と評価解析技術があります。
このページでは、特に、合成・加工方法を取り上げます。評価・計測方法は、【評価・計測方法】のページをご覧下さい。

合成・加工技術も多岐にわたります。まず、温度を上げて物質を反応させたり、溶融させたりして目的の材料を得る手段で、いわゆる「炉」を使う手段です。 それに対して、比較的低い温度で、すなわち、ビーカーやフラスコからイメージされる化学的な手法で合成する手段も用いられます。それは、水溶液などの液体から物質を合成する手段になります。また、液体を使う、溶解課程を伴わないプロセスもあります。例えば、粉体を液体中に分散させるプロセスがそれにあたります。分散プロセスは、材料合成において非常に重要です。

他にも、気化させた原料を基板上に固体として析出させて材料を合成する手段もあります。そうした、気相から固相を析出するプロセスは、真空中の環境での高純度合成によく用いられます。さらに、本センターでは、素子形成などのため、微細加工技術等の形状形成技術も活用されます。
外部機関の方が利用できる装置も設置されています。興味のある方は、是非お尋ね下さい。

【評価・計測】のページはこちら

本センターにおける、固相反応や融液プロセスなどの高温を使った製造プロセスについてご紹介します。

バルク単結晶成長

高温で溶融した融液から大型の単結晶を製造するプロセスです。

引き上げ法による光学応用大型・
高品質単結晶の製造

担当光学単結晶グループ
島村 清史ガルシア・ビジョラ原 東升

引き上げ法で育成されたCTAS圧電体単結晶。定規の上に置かれた透明な淡黄色の結晶は、左の細い部分から右へ扇状に広がっています。長さは約九十ミリメートル(五十から百四十ミリメートル強の範囲)に達しており、大型の単結晶が安定して育成されている様子を実証する写真です。 希土類を添加したリチウムフッ化物単結晶。定規の前に五つの結晶が並び、添加元素により左から透明、黄色、赤色、淡いピンク、透明へと色が変化しています。左から順にテルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウムを添加しており、元素により光学特性を制御できることを示しています。

ブリッジマン法などを活用した単結晶の育成

担当光学単結晶グループ
中村 優

ブリッジマン法で育成された高品質な単結晶。滑らかな曲面を持つ弾丸のような形状で、周囲を鏡のように映す強い銀色の金属光沢があります。背景の目盛りから長さは約四センチメートル。極めて高い光沢と均一な外観は、結晶内部の構造が高度に整っており、純度が高いことを示唆しています。

焼結

高温で粉体を焼き固めてセラミックスを作るプロセスです。

焼結技術を駆使した透明なセラミックスの作製

担当高機能光学セラミックスグループ
鈴木 達

担当多結晶光学材料グループ
森田 孝治

透明セラミックスの構造。左は円盤状のマグネシウムアルミナススピネルの写真で、高い透明性により下の「Spinel」という文字が読み取れます。右はスピネル上にアルミナ層を積層した複合材料断面の電子顕微鏡写真。一マイクロメートル規模の視野で、異種材料が接する界面の微細な多結晶粒子構造が捉えられています。

高温ガス反応

高温にした固体とガスを反応させて行う合成方法です。アンモニアを使った窒化物合成等が典型です。

本センターにおける、液相プロセスの手法についてご紹介します。

コロイドプロセス

液体に分散させた微粒子の挙動を制御して、材料特性を引き出すためのプロセスです。

場を利用したセラミックス粒子配向制御

担当高機能光学セラミックスグループ
鈴木 達

強磁場によるセラミックス粒子の配向制御と特性向上。上段は成形装置、粒子整列の模式図、および配向による導電率変化のグラフ。下段は透過率の波長依存性グラフ。磁場配向試料はランダムな試料より透過率が高く、背景の「エヌアイエムエス」という文字がより鮮明に透ける様子と結晶モデルが添えられています。

懸濁液からのフォトニックコロイドシートの製造

担当ナノフォトニクスグループ
不動寺 浩

フォトニックコロイドシートの製造。左はノートパソコンで制御される精密塗布装置。左上の零点五ミリメートル規模の拡大図は、基板上の粒子層が緑色の干渉色を放つ様子。右は大型液槽から引き上げられたシート製品で、緑から青へ変化する鮮やかな構造色のグラデーションが均一な膜形成を証明しています。

溶液からの析出

溶媒中に溶解させた原料を固体として析出させることで材料を合成します。

溶液からの粒形制御されたナノ粒子の析出

担当電子セラミックスグループ
齋藤 紀子

酸化亜鉛微粒子の形態とガス検知特性。左は電子顕微鏡写真で、五十ナノメートルスケールの多角錐粒子を示しています。右はグラフで、イソプレンガスの濃度上昇に伴う抵抗変化を表示。零点五パーセントの金を添加した試料は、未添加より抵抗の変化幅が大きく、高い検知感度を持つことを示しています。

水熱合成法:臨界状態の水溶液からの結晶析出

担当高機能光学セラミックスグループ
中根 茂行

電気化学的合成法

溶液と固体の界面に電界印加によて化学反応・物質輸送を誘起する合成法です。

金属の陽極酸化による皮膜の形成

担当非晶質材料グループ
瀬川 浩代

陽極酸化によるアルミナ皮膜の発色。六枚の金属板が並び、左から灰色、ピンク、青、緑、黄へと色が変化しています。これは染料ではなく、ナノスケールで皮膜の厚みを精密に制御することで生じる、光の干渉を利用した構造色による発色です。皮膜の厚さと色の相関を視覚的に証明する写真です。

本センターにおける、気相成長についてご紹介します。

分子線エピタキシー(MBE)

真空中で原料を気化させ、ウエファー上に析出・結晶化させるプロセスです。

窒化物半導体の結晶成長

担当非晶質材料グループ
大垣 武

化学気相成長(CVD)

ガス流で運ばれた原料分子が基板表面で反応し、析出・結晶化するプロセスです。

ハイドライド気相成長(HVPE)

原料金属を塩化物ガスとして基板上に輸送し、基板に結晶を析出させる結晶成長法です。

担当超ワイドギャップ半導体グループ
大島 祐一

酸化ガリウムの成長プロセス図と成果。左上は装置構成図。右上は塩化ガリウム分圧の上昇に伴い成長速度が毎時約三百マイクロメートルまで向上するグラフ。下部は電子顕微鏡写真で、左は百五十マイクロメートルの厚い結晶断面、右は五マイクロメートルサイズの規則的な柱状構造の結晶を示しています。

パルスレーザー蒸着(PLD)

レーザーパルス照射によって蒸発した原料が基板ウエファに析出して結晶化する薄膜成長プロセスです。

スパッター蒸着

プラスマをつかって気化させた原料を、ウエファー上に堆積させて結晶成長させ、薄膜結晶を合成します。

スパッタ法による半導体薄膜、誘電体薄膜の形成

担当電子セラミックスグループ
清水 荘雄大澤 健男

担当ナノ電子デバイス材料グループ
長田 貴弘

本センターにおける、加工プロセスについてご紹介します。

リソグラフィー

電子線や光によってレジスト膜へのパターン形成を利用して微細な構造をウエファや薄膜表面に形成するプロセスです。

リソグラフィーによるメタマテリアルの形成

担当ナノフォトニクスグループ
岩長 祐伸

担当半導体エピタキシャル構造グループ
宮崎 英樹

メタマテリアル技術を用いた次世代センサー。上は金と量子井戸の三層構造から光電流を取り出す模式図。下段左は電界分布の共鳴モード、中央は一マイクロメートルスケールの微細加工表面を捉えた電子顕微鏡写真です。右はこれらをパッケージングした五ミリメートルサイズの実物素子の写真を示しています。

リソグラフィーによる導波路型非線形光学素子の形成

担当量子フォトニクスグループ
栗村 直

位相整合タイプと光子対発生の模式図。上部は周期構造の導波路による光子対発生。下の表は三種類の位相整合の比較。タイプ零は非線形光学定数ディー三三が二十五ピコメートル毎ボルトで効率が一。タイプ一と二は定数が五で、効率は二十五分の一。タイプ零が最も高い変換効率を持つことを示しています。

エッチング

酸・アルカリの溶液、プラズマなどをつかって、試料表面を溶解や蒸発によって取り除き、所望の形状を付与する方法です。

リソグラフィーによるメタマテリアルの形成

担当超ワイドギャップ半導体グループ
大島 孝仁

担当ナノフォトニクスグループ
岩長 祐伸

非プラズマプロセスによる構造形成とデバイス実証。左側は電子顕微鏡写真で、選択成長によるフィン形成や、選択エッチングによるトレンチ形成を数マイクロメートルスケールで示しています。右側は応用例のフィン型トランジスタ。五十マイクロメートルスケールで、ソース、ゲート、ドレインが精密に形成されています。

強磁場応用

粉体などに磁場を印加することで、粒子の凝集や配向を制御します。

磁場を利用した粒子の運動制御

担当高機能光学セラミックスグループ
廣田 憲之鈴木 達

磁場による粒子整列のリアルタイム観察。透明容器内の液体中で、黒い微粒子が磁力に反応し、垂直方向に無数の針状のチェーン構造を形成しています。磁場の制御によって粒子の向きを自在に操る様子を示しており、これは高性能なセラミックスを作製するための配向制御技術を視覚化した写真です。
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