2024年02月06日
プロトン共役電子移動という生化学において見られる反応を用いて、水溶液に有機半導体薄膜を浸すだけで簡単にドーピング制御する手法を確立しました。

ポリマーなどからなる有機半導体はフレキシブルエレクトロニクスにおいて重要な材料です。しかしながら、従来はドーピングによる電気伝導度などの制御には課題がありました。ドーピングには半導体と酸化還元反応を生じるドーパントを用いますが、こうした材料が水分などにより失活してしまうからです。
この研究ではプロトン共役電子移動という生化学において見られる反応を用いて、水溶液に有機半導体薄膜を浸すだけで簡単にドーピング制御する手法を確立しました。ここでは2つのプロトンを水溶液から、2つの電子を有機半導体から受け取る材料を用いています。pHを変えると電気伝導度とドーピング量は高精度で制御されました。製造プロセスにも適した本手法はセンサー、太陽電池、ディスプレイなどを含む様々なフレキシブルデバイスの実現に貢献すると期待できます。
山下 侑 研究員(超分子グループ)
(2023年「nature」誌)
Reference
Journal | Nature |
---|---|
Title | Doping of molecular semiconductors through proton-coupled electron transfer |
Authors | Masaki Ishii, Yu Yamashita, Shun Watanabe, Katsuhiko Ariga, and Jun Takeya |
Affiliations |
|
DOI | 10.1038/s41586-023-06504-8 |