2023年08月03日
超撥水技術を活用して作製したドライセル、粉体のように流動するマイクロ液滴には、生きた単細胞が封入されている。

超撥水技術を活用して作製したドライセル、粉体のように流動するマイクロ液滴には、生きた単細胞が封入されている。ドライセルは細胞懸濁液をマイクロ液滴化し、超撥水性ナノ粒子で被覆することで形成される。超撥水粒子が液滴同士の癒合を防ぐことで、ドライセルは水分量>95%でありながら、乾燥粉末(水分率<0.01%相当)と同等の流動性を示す。プロセスパラメーターを調整することで1ドライセルあたりの細胞内包量を制御することも可能である。更には、1ドライセル中に正常細胞とがん細胞を1個ずつ封入したり、細胞のコロニーを複数封入したりもできる。
また、ドライセルは高いハンドリング性を有するため、細胞で”遊ぶ”ことができる。例えば、ドライセルをピンセットで持ち上げる、つまりは単細胞をピンセットで扱うことができる。ドライセルを細胞ピッキングツールとして利用すれば単細胞分析が気軽に行える様になる。
天神林 瑞樹 独立研究者
(2023年「Advanced Materials」誌)
References
Journal | Advanced Materials 2023, 2300486 (July 27, 2023) |
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Title | Drycells: Cell-Suspension Micro Liquid Marbles for Single-Cell Picking |
Authors | Mizuki Tenjimbayashi, Shota Yamamoto, and Koichiro Uto |
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DOI | 10.1002/adma.202300486 |