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[Vol. 78] 六方晶窒化ホウ素ヘテロ構造を使った高移動度ダイヤモンド電界効果トランジスタ

2022年07月29日

六方晶窒化ホウ素をゲート絶縁体として使うとともに、水素終端ダイヤモンドを大気に晒さない新しい手法によって、これまでにない優れた特性のダイヤモンドFETを作製できることを示しました。

リサーチハイライトVol.78 グラフィックス画像

ダイヤモンドはワイドバンドギャップ半導体として優れた特性を持ち、パワーエレクトロニクスや情報通信での応用が期待されています。特に、水素終端ダイヤモンド(表面の炭素に水素が結合したダイヤモンド)を使った電界効果トランジスタ(FET)について多くの研究が行われてきました。

本研究では、六方晶窒化ホウ素をゲート絶縁体として使うとともに、水素終端ダイヤモンドを大気に晒さない新しい手法によって、これまでにない優れた特性のダイヤモンドFETを作製できることを示しました。損失の低減を可能とする高い室温正孔移動度や、安全の観点から重要なノーマリオフ動作を同時に実現しました。本成果は、今後のダイヤモンドFET開発の新しい指針となり、省電力パワーデバイスや高出力高周波増幅器などの実現につながると期待されます。

山口 尚秀 主幹研究員
(2021年「Nature Electronics」誌)

References

Journal Nature Electronics, 5, 37-44 (23 December 2021)
Title High-mobility p-channel wide-bandgap transistors based on hydrogen-terminated diamond/hexagonal boron nitride heterostuctures
Authors Yosuke Sasama, Takahide Yamaguchi, et al.
Affiliations International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA), National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan
DOI s41928-021-00689-4
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