2021年07月20日
本研究では、機能性粒子を液滴表面にパターニングする汎用的な手法を、パッチワークから着想を得て開発した。

リキッドマーブルは液滴を撥水性の粉末で被覆しカプセル化したものであり、小型の運搬容器(キャリア)として化学反応や細胞培養、ドラッグデリバリーや小型センサーのプラットフォームへの応用が期待されている。機能性を持つ撥水性粉末を合成し液的を被覆して、リキッドマーブルに機能性が付与される。しかし、従来リキッドマーブルを形成するための粒子が単一種に限定され、多機能性リキッドマーブルの形成は困難であった。
本研究では、機能性粒子を液滴表面にパターニングする汎用的な手法を、パッチワークから着想を得て開発した。具体的には、単一粒子で構成されたリキッドマーブルの活性をIn situで制御し、異なる機能を持つリキッドマーブル同士を合体させて任意のパッチワークパターンを形成する。このリキッドマーブルパッチワークにより複数の機能性粒子を液滴に集積し、多機能性の液体輸送キャリアを実現した。
天神林 瑞樹 MANA独立研究者
(2021年2月 「Advanced Functional Materials」誌)
Reference
Journal | Advanced Functional Materials [19 February 2021] |
---|---|
Title | Liquid Marble Patchwork on Super-Repellent Surface |
Authors | Mizuki Tenjimbayashi, Sadaki Samitsu, Yuko Watanabe, Yasuyuki Nakamura, Masanobu Naito |
Affiliations | International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA), National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan |
DOI | 10.1002/adfm.202010957 |