2021年03月22日
MANAは、マイクロピペットを使って、酸化物ナノシートのコロイド水溶液を基板に1滴滴下した後、それを吸引するという簡便な操作により、約30秒という短時間でナノシート稠密配列膜の作製に成功しました。

グラフェンや酸化物ナノシートなどの2次元物質は、高速電子伝導、高誘電性などの優れた機能を発現し、電子材料への応用が進められています。こうした優れた機能を最大限に引き出してデバイス化するためには、ナノシートを様々な基板表面に秩序正しく配列させ、薄膜を作製することが重要となります。我々は、マイクロピペットを使って、酸化物ナノシートのコロイド水溶液を基板に1滴滴下した後、それを吸引するという簡便な操作により、約30秒という短時間でナノシート稠密配列膜の作製に成功しました。さらにこの操作を反復することにより、ナノシートを1層ずつ精密に制御して積み重ね、多層膜や超格子膜を構築できることも確認しました。本成果は、ナノシートを用いた電子デバイス製造の重要な技術に発展するものと期待されます。
長田 実 NIMS招聘研究員
(2020年10月 「ACS Nano」誌)
Reference
Journal | ACS Nano. 14 [11] (2020) [29 October 2020] |
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Title | Single Droplet Assembly for Two-Dimensional Nanosheet Tiling |
Authors | Yue Shi, Minoru Osada, Yasuo Ebina and Takayoshi Sasaki |
Affiliations | International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA), National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan |
DOI | 10.1021/acsnano.0c05434 |