2021年03月19日
MANAは、圧力と電界を同時に制御する新しいダイヤモンドアンビルセルを考案しました。

日本は材料開発に多くの実績を上げてきましたが、社会の発展に伴い、より優れた新機能性物質の探索が常に求められています。物質の性質は基本的に電子状態に大きく依存し、それは物質が受ける圧力や電界によって変化します。そこで我々は、圧力と電界を同時に制御する新しいダイヤモンドアンビルセルを考案しました。上下のダイヤモンドにより圧力を発生させ、その内部に電気二重層を構築し電界を制御します。この装置を用いることにより、圧力で格子を、電界でキャリア数を制御しながら、サンプルの物性を評価することが可能となります。本実験では、ビスマスの薄膜に対して、圧力と電界を印加して物性の変化を観測することに成功しました。この先、様々な候補物質に対して同様の実験をすることにより、新機能の発見に役立つと考えています。
高野 義彦 MANA主任研究者 (グループリーダー、ナノフロンティア超伝導材料グループ)
(2019年12月 「Applied Physics Letters」誌)
Reference
Journal | Applied Physics Letters 116, 223506 (2020) [25 December 2019] |
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Title | Demonstration of Electric Double Layer Gating Under High Pressure by the Development of Field-Effect Diamond Anvil Cell |
Authors | Shintaro Adachi, Ryo Matsumoto, Sayaka Yamamoto, Takafumi D. Yamamoto, Kensei Terashima, Yoshito Saito, Miren Esparza Echevarria, Pedro Baptista de Castro, Peng Song, Suguru Iwasaki, Hiroyuki Takeya, Yoshihiko Takano |
Affiliations | International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA), National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan |
DOI |
10.1063/5.0004973 |