2020年11月16日
MANAは、ガラス等の身近な材料で日中放射冷却構造を作製し、熱電素子の上に設置することで、24時間継続して熱電発電できるモジュールを開発しました。

夜、放射冷却により地表の熱が宇宙に逃げるため、地表は冷える。実は日中も放射冷却は起きているが、太陽熱によって温まる効果の方が大きいため、日中に放射冷却を実感することはない。しかし、ごく最近の研究で、日中でも放射冷却が起きる構造が実証された。そのような構造は、太陽光吸収を極力低減し、宇宙への熱放射が最大になるような特徴を有している。日中放射冷却構造は、夜間でも放射冷却できる。我々は、ガラス等の身近な材料で日中放射冷却構造を作製し、熱電素子の上に設置することで、24時間継続して熱電発電できるモジュールを開発した。屋外での実験で、実際に一日中発電し続けられることを実証した。このようなモジュールは、オフグリッドのセンサー等の給電用途に適していると考えられる。
石井 智 主幹研究員 (ナノ光制御グループ)
2020年7月 「Applied Physics Letters」誌
Reference
Journal | Applied Physics Letters 117 [1] 013901 (July 7, 2020) |
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Title | Radiative cooling for continuous thermoelectric power generation in day and night |
Authors | Satoshi Ishii, Thang Duy Dao and Tadaaki Nagao |
Affiliations |
International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA), National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan |
DOI |
10.1063/5.0010190 |