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[Vol. 62] 放射冷却を利用した一日中発電し続ける熱電発電

2020年11月16日

MANAは、ガラス等の身近な材料で日中放射冷却構造を作製し、熱電素子の上に設置することで、24時間継続して熱電発電できるモジュールを開発しました。

リサーチハイライトVol.62 グラフィックス画像

夜、放射冷却により地表の熱が宇宙に逃げるため、地表は冷える。実は日中も放射冷却は起きているが、太陽熱によって温まる効果の方が大きいため、日中に放射冷却を実感することはない。しかし、ごく最近の研究で、日中でも放射冷却が起きる構造が実証された。そのような構造は、太陽光吸収を極力低減し、宇宙への熱放射が最大になるような特徴を有している。日中放射冷却構造は、夜間でも放射冷却できる。我々は、ガラス等の身近な材料で日中放射冷却構造を作製し、熱電素子の上に設置することで、24時間継続して熱電発電できるモジュールを開発した。屋外での実験で、実際に一日中発電し続けられることを実証した。このようなモジュールは、オフグリッドのセンサー等の給電用途に適していると考えられる。

石井 智 主幹研究員 (ナノ光制御グループ)
2020年7月 「Applied Physics Letters」誌

Reference

Journal Applied Physics Letters 117 [1] 013901 (July 7, 2020)
Title Radiative cooling for continuous thermoelectric power generation in day and night
Authors Satoshi Ishii, Thang Duy Dao and Tadaaki Nagao
Affiliations International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA),
National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan
DOI 10.1063/5.0010190
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