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[Vol. 61] 二次元材料の折り重ね構造における新奇特性の発見

2020年08月26日

MANAは、二層グラフェンを一定の角度で’折り紙’のように折り重なると、電気を通さない絶縁状態を示すことを発見しました。

リサーチハイライトVol.61 グラフィックス画像

炭素の二次元材料である二層グラフェンは、通常は電気を通す導体です。我々はこの二層グラフェンを一定の角度で’折り紙’のように折り重なると、電気を通さない絶縁状態を示すことを発見しました。これは二層グラフェン同士の層間相互作用がある角度で重なり合うことにより増強され、新たに発現する特殊な電子状態に起因することが予測されており、様々な二次元材料を用いた類似の構造において世界中で研究が進められています。本研究ではこれまで調べられていなかった折り重なった構造において、元の二次元材料には存在しない顕著な電気特性が現れ、その特性が垂直電場で変調できることを発見しました。これらの発見により、二次元材料を機械的に折り重ねることによる素子設計・作製の可能性が生まれ、当該分野研究の更なる発展が期待されます。

岩崎 拓哉 ICYS-WPI-MANA研究員
(2020年3月 「Applied Physics Express」誌)

Reference

Journal Applied Physics Express [ March 5, 2020 ]
Title Fabrication of folded bilayer-bilayer graphene/hexagonal boron nitride superlattices
Authors Takuya Iwasaki, Yoshifumi Morita, Shu Nakaharai, Yutaka Wakayama, Eiichiro Watanabe, Daiju Tsuya, Kenji Watanabe, Takashi Taniguchi and Satoshi Moriyama
Affiliations International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA),
National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan
DOI 10.35848/1882-0786/ab790d
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