2020年03月25日
我々はホウ素と水素のみからなる導電性ナノシート材料を開発しました。

金属元素を含まない導電材料は珍しく、分子レベルの厚みのナノシート材料では、グラフェンなどのごく限られたもののみです。我々はホウ素と水素のみからなる導電性ナノシート材料を開発しました。ナノシートを構成する水素原子が特殊な配置を取っており、その構造が原因で分子が吸着することにより導電性が大きく変化することを明らかにしました。この特徴を生かすことで、分子の吸着性を利用した分子応答性のセンサー材料や触媒材料など、導電性ナノシート材料の全く新しいデバイス応用が期待できます。また、ホウ素と水素からなる超軽量な本材料は、ウェアラブルな電子デバイスなどへの応用展開も期待できます。
冨中 悟史 主任研究員
(2020年「Chem」誌)
Reference
Journal | Chem [February 13, 2020] |
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Title | Geometrical Frustration of B-H bonds in Layered Hydrogen Borides Accessible by Soft Chemistry |
Authors | Satoshi Tominaka, Ryota Ishibiki, Asahi Fujino, Kohsaku Kawakami, Koji Ohara, Takuya Masuda, Iwao Matsuda, Hideo Hosono, and Takahiro Kondo |
Affiliations |
International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA), National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan |
DOI |
10.1016/j.chempr.2019.11.006 |