2020年03月23日
我々は、伸縮や折り曲げが自由自在な振動発電素子を開発しました

折り曲げても、引っ張っても壊れることなく、洋服や人体に装着、貼り付けることができ、かつ電池を用いることなく駆動する発電素子があると、世の中便利になると思いませんか?例えば、電池不要の脈拍、心拍、脳波センサなど、医療・ヘルスケア機器。歩くと発電する靴やタイピングすると発電するパソコンのキーボード。我々は、これらを可能にする液体物質を世界で初めて開発しました。分岐アルキル鎖という柔軟で電気を通さない炭水化合物で、ポルフィリンという色素有機化合物を取り囲み、常温液体を合成しました。ポルフィリン部分に静電気を注入すると、静電気が半永久的に閉じ込められた液体(液体エレクトレット)となり、この帯電した液体を布地に染みこませて柔らかい電極で挟むことで、伸縮や折り曲げが自由自在な振動発電素子を開発しました。
中西 尚志 グループリーダー
(2019年「Nature Communications」誌)
Reference
Journal | Nature Communications [September 30, 2019] |
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Title | Soft chromophore featured liquid porphyrins and their utilization toward liquid electret applications |
Authors | Avijit Ghosh, Manabu Yoshida, Kouji Suemori, Hiroaki Isago, Nagao Kobayashi, Yasuhisa Mizutani, Yuki Kurashige, Izuru Kawamura, Masami Nirei, Osamu Yamamuro, Tomohisa Takaya, Koichi Iwata, Akinori Saeki, Kazuhiko Nagura, Shinsuke Ishihara and Takashi Nakanishi |
Affiliations |
International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA), National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan |
DOI | 10.1038/s41467-019-12249-8 |