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[Vol. 52] 中枢神経系疾患の治療にむけた抗炎症活性を有する高分子マイクロ粒子の設計

2019年07月18日

MANAは、生物が本来持つ免疫機能をコントロールするマイクロ粒子をデザインし、この粒子のみを用いて脳モデルにおける炎症反応を抑制することに世界で初めて成功しました。

リサーチハイライトVol.52 グラフィックス画像

MANAは、生物が本来持つ免疫機能をコントロールするマイクロ粒子をデザインし、この粒子のみを用いて脳モデルにおける炎症反応を抑制することに世界で初めて成功しました。また、この粒子は薬剤を免疫細胞へと送達する担体としても使用できるため、化学療法と材料による免疫療法を組み合わせた全く新しい治療法を確立する可能性を秘めています。脳内における炎症はアルツハイマー病を始めとした認知症の基盤病態であり、この粒子を用いることで5000万人を超える認知症患者に対する効果的な治療・予防法の確立が展望されます。
加えて、免疫機能を“材料の力だけで抑制する”というコンセプトは、これまで用いられてきた医療用マテリアルには無い革新的なものであり、次世代の生体材料の一角を担う材料となることが期待されます。

中川泰宏 JSPS特別研究員(東京大学), 荏原充宏 グループリーダー
(2019年「ACS Biomaterials Science & Engineering」誌)

Reference

Journal ACS Biomater. Sci. Eng. 5 (2019) 5705−5713.
Title Apoptotic Cell-Inspired Polymeric Particles for Controlling Microglial Inflammation toward Neurodegenerative Disease Treatment
Authors Yasuhiro Nakagawa, Yuto Yano, Jeonggyu Lee, Yasutaka Anraku, Makoto Nakakido, Kouhei Tsumoto, Horacio Cabral, and Mitsuhiro Ebara
Affiliations International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA),
National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan
DOI 10.1021/acsbiomaterials.8b01510
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