2019年07月17日
我々は弱い強磁性体と呼ばれる金属において、強磁性転移温度Tc付近で熱電能が急激に増大することを見出した。

熱電変換は熱から電力を取り出すことができるため、IoTデバイスの動作電源として期待されている。このためには、熱電材料のパワーファクターを大きくすることが重要である。我々は弱い強磁性体と呼ばれる金属において、強磁性転移温度Tc付近で熱電能が急激に増大することを見出した。この現象は、熱から電力へのエネルギー変換が、スピン揺らぎによってより効率よく行われるためと理解される。これにより室温付近で動作する高性能の熱電材料開発が加速することが期待される。
辻井直人 主幹研究員
(2019年「Science Advances」誌)
Reference
Journal | Sci. Adv. 5, eaat5935 (2019). |
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Title | Observation of enhanced thermopower due to spin fluctuation in weak itinerant ferromagnet |
Authors | Naohito Tsujii, Akinori Nishide, Jun Hayakawa, Takao Mori |
Affiliations |
International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA), National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan |
DOI |
10.1126/sciadv.aat5935 |