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[Vol. 50] 1次元半導体ナノワイヤ構造の高度機能化による新構造デバイスの実現

2019年07月16日

MANAでは、シリコン(Si)基板上にSiナノワイヤアレイを形成し、ナノワイヤ内部の直径方向に層構造としてpn接合を構築した新構造光電変換素子の開発を行いました。

リサーチハイライトVol.50 グラフィックス画像
ナノワイヤアレイの集団構造はモスアイ構造と呼ばれ、太陽光を反射しづらい構造となり表面が黒色となります。吸収された太陽光はナノワイヤ内部で電子とホールに変換され、内部に形成されたpn接合により電子とホールが再結合する前に電気として効率よく取り出せる構造となっています。

1次元構造の半導体ナノワイヤは,その次元性とサイズに依存した新しい物性発現の期待から、半導体電子・光素子、熱電素子、化学・バイオセンサー等への様々な応用が期待されています。MANAでは、シリコン(Si)基板上にSiナノワイヤアレイを形成し、ナノワイヤ内部の直径方向に層構造としてpn接合を構築した新構造光電変換素子の開発を行いました。ナノワイヤ構造の利点は、太陽光の反射を大幅に低減し、且つ各ナノワイヤ内部に構築されたpn接合により光電変換の効率を高められることにあります。ナノワイヤ構造を利用することで、フレキシブル特性の付与も可能になります。
本技術を応用することで、ナノワイヤ内部に異種材料による層構造を形成した高移動度かつ低消費電力化を実現できる次世代トランジスタ材料の開発にも成功しています。

深田直樹 MANA主任研究者
(2019/2017年「Nano Energy」誌、2018年「Small」誌、2015年「ACS Nano」誌)

Reference

Journal Nano Energy 56, 604 (2019).
Title Fabrication of high-performance ordered radial junction silicon nanopencil T solar cells by fine-tuning surface carrier recombination and structure morphology
Authors Junyi Chen, Thiyagu Subramani, Wipakorn Jevasuwan, Kotaro Dai, Kei Shinotsuka, Yoshihisa Hatta, Naoki Fukata
Affiliations International Center for Materials Nanoarchitectonics (WPI-MANA),
National Institute for Materials Science (NIMS), Namiki 1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan
DOI 10.1016/j.nanoen.2018.12.002
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