宇宙関連材料強度データシート発行について

2023.12.19


NIMSでは、中立的な立場で試験規格に従い、機械特性の系統的なデータを取得し、クリープ、疲労、腐食、宇宙関連材料強度の各データシートを発行しています。これらのうち、ロケットエンジンにも使われる析出強化型ニッケル基超合金であるアロイ718鍛造材について宇宙関連材料強度データシートを発行しました。

「宇宙関連材料強度データシート No. 32アロイ718鍛造材の高サイクル疲労特性データシート– 平均応力の影響 − (国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構と連携)」の画像

宇宙関連材料強度データシート No. 32
アロイ718鍛造材の高サイクル疲労特性データシート
– 平均応力の影響 −
(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構と連携)



液体窒素温度 −196℃ (77 K, 液体窒素環境) 、室温20℃ (293 K, 大気環境) での荷重制御試験で得られた107 (1千万) サイクルまでの高サイクル疲労特性を明らかにしております。また、高サイクル疲労特性に及ぼす平均応力の影響も明らかにしております。さらに、供試材の試験前の金属組織写真ならびに破断した疲労試験片の破面写真を掲載しています。

液体ロケットエンジンの信頼性を向上させるためには、エンジン運転時の過酷な環境下 (高温・高圧、極低温、熱衝撃、水素) での強度余裕を高い精度で把握し、構造設計や製造・検査工程に反映する必要があります。宇宙関連材料強度データシートは、エンジンの強度余裕評価や改良設計に使用され、打上げの信頼性向上に貢献していきます。


問い合わせ先情報

(事業内容・データシートの入手に関すること)

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)
技術開発・共用部門 材料データプラットフォーム 極限環境材料データユニット
E-Mail: datasht=nims.go.jp
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