第98号

2020.01.28 発行

今号の内容

実用化間近の新材料がビッグサイトに集結 ! 「nanotech2020」明日から
最新研究ニュース
「硫化水素/一酸化窒素で命を救う ! ガスをジワジワ放出する新材料を開発」
NIMS NOW 最新号予告「骨と材料」

1 : 医療からセンサまで次世代材料一挙展示 ! 「nanotech2020」出展

医療現場を変える驚異の接着剤から、EUの環境規制をクリアする世界待望のセンサ材料まで、実用化間近の新材料がビッグサイトに集結 ! 企業からの問い合わせが多い10の材料・技術を厳選し、世界最大のテクノロジー総合展「nanotech 2020」にて、デモを交えて一挙ご紹介します。

特に注目は・・・
★数兆円市場が大転換 ! ?EU環境規制を満たす鉛フリー圧電素子

ガスコンロからスマホのスピーカー、車の距離センサまで生活のあらゆるところに使われる圧電素子。市場規模は数兆円といわれますが、高い圧電特性を出すには有害な鉛が必須でした。今回、50年も変わらなかったこの常識を覆す材料をNIMSは開発。その性能は?量産化の目途は?開発者が詳しく説明します。

さらには先週発表した、できたての新材料も展示します (詳しくは下の「最新研究ニュース」でご紹介) 。
NIMSが企業の皆様に自信を持ってお届けする新材料・新技術。ぜひ手にとってその性能をお確かめください。

nano tech 2020　出展概要
日時 : 2020年1月29日 (水) - 1月31日 (金) 10 : 00-17 : 00
会場 : 東京ビッグサイト西1.2ホール　5S-25

2: 最新研究ニュース
硫化水素や一酸化窒素をジワジワと放出する固体材料を開発　 (1/24)

有毒なイメージの強い硫化水素や一酸化窒素。実は低濃度では、呼吸器疾患の治療に使われるなど優れた効能があります。濃度次第で毒にも薬にもなるこれらのガスを、医療現場や家庭で手軽に使える方法はないか?

NIMSは、ある構造の材料に注目。ガスのもとになる物質を含ませておくことで、空気に触れると低濃度でジワジワとガスを放出させることに成功しました。材料の構造を変えれば、濃度の調整も可能。密閉した袋で保存すれば、まるで使い捨てカイロのように、封を切るだけで手軽に低濃度のガスを取り出せます。

この材料を使ったデモを、nanotech会場で実施。
重篤呼吸器障害の緊急治療に向けた携帯型一酸化窒素吸入器の試作品も展示します。

3 : 『NIMS NOW』最新号予告「骨と材料」

我々の体を支え、体内の臓器を守る“骨”。ひとたび大きく損傷すると、もとの形と働きを自然に回復するのは難しい。そこで使われるのが、欠損部を埋める「人工骨」や、正しい位置に固定する「骨固定材」だ。

NIMSは、それら材料をただの穴埋め役で終わらせない。骨本来の治癒力を高め、しかも役目を終えたら自然と消えてなくなる・・・そんな材料を、思いもよらぬ生物からつくり出そうとしている。

さらに、骨の治癒メカニズムから、セラミックスの最大の弱点を克服した驚きの新材料を生みだした。想像を超える「骨と材料」をめぐるストーリー。その全貌をNIMS NOW最新号でご覧ください。

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